創立15周年を迎えた、若手経営者らが集う勉強会「吉田塾」(塾長・山本明彦元金融担当副大臣)は20日夜、豊橋市の「ホテルアソシア豊橋」で祝賀会と記念講演会を開いた。初代スポーツ庁長官でソウル五輪競泳金メダリストの参院議員、鈴木大地氏(58)が登壇し、自身の競技人生や指導者としての経験、スポーツが持つ産業としての可能性について講演した。
同塾は2011年、政界引退後に山本塾長が「若手に政治の実情を知ってほしい」との思いから設立。これまでに静岡県の鈴木康友知事、物語コーポレーションの加藤央之社長、デザイン書道作家の鈴木愛さんら、多才な講師陣を招いてきた。
この日は塾生や歴代講師ら約50人が出席。山本塾長は「多くの関係者に支えられここまで来られた。自ら正しい判断を下し、進むべき道を実行していくことが重要で、今後も多様な情報を吸収してほしい。それが吉田塾の責任。10年、20年と続けてたい」と語った。
講演では、鈴木氏がソウル五輪での劇的な金メダル獲得の舞台裏を披露した。世界記録保持者の米国選手を打破するため、潜水キックの回数を予選の21回から27回に増やす作戦を敢行。後半に逆転し優勝した。ゴール後に周りの選手と握手を交わした際の心境を「五輪はメダルを争うだけでなく、世界中に友人ができるすばらしい場所だと気付かされた」と振り返った。豊橋市出身の清川正二氏(当時IOC委員)からメダルを授与された縁も明かした。
金メダル獲得後の苦悩にも言及。現役続行を決めたが、バルセロナ五輪を目指す過程で水をかく感覚を失い、合宿中に女子中学生に敗れた経験を告白。25歳で引退した際は「ボロボロの状態だった」が、当時の所属先からの「挫折で終わるのも悪くない」という言葉に勇気づけられたという。
現在はスポーツの成長産業化に尽力する鈴木氏は、29年に新アリーナ開設を控える豊橋市の新アリーナなど「稼ぐスポーツ」の重要性を指摘した。鍵は「多目的利用」にあるとし、28年のロサンゼルス五輪後の施設利用や、16年の熊本地震で避難所となった事例を紹介。「スポーツ施設には防災拠点としての側面もある。平時は市民の健康増進に寄与し、有事には防災施設として機能する。初期投資は大きいが、市民が健康になれば、結果として医療費の削減につながる。トータルな視点で整備を加速させてほしい」と期待した。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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