豊橋で「豊川堂」総会 郷土の文化育て150年

2024/10/05 06:00(公開)
感謝の言葉を述べる高須会長=ホテルアークリッシュ豊橋で

 「豊川堂創業150周年豊橋総会」と「第62回書店新風会」が、豊橋市の「ホテルアークリッシュ豊橋」で開かれた。会員書店のほか、出版社、取り次ぎ会社の代表ら約180人が一堂に会した。

 

皆さんの支えで150年

 

 江戸時代はみそやしょうゆなどを扱っていたが、明治維新後に時代を先取りして書店販売に乗り出し1874年に「豊川堂」が誕生した。教科書出版や書籍販売など、地域の書籍文化を支えてきた。豊川堂の高須博久会長は150年の歩みを振り返り、「皆さんの支えで今の豊川堂がある」と感謝の言葉を述べた。

 昨秋には教科書供給に尽力したとして、高須会長が黄綬褒章(教科書供給業)を受章。「創業当時から笑顔で元気に真心を込め、郷土の文化と発展に貢献したい思いでやってきた。社員のみんなが頑張った成果。我が社の勲章だ」と話した。

 今後について「厳しい情勢の中で、時代の変化を捉え、果敢に成長していきたい」と述べた。

 

大垣会長は今年で退任

 

 新風会の大垣守弘会長は今年限りでの退任を発表。「5期10年の期間、皆さんのおかげで勉強になった」と感謝し、「衰退産業といわれているが、本は食べること以上に血と肉となり、考えるもとになると信じている。人を変えたり、感動させたりできる本の魅力を次世代にどう継いだらいいかを悩みながら過ごしています」と語った。

あいさつをする大垣会長

書店新風会の会長とTRC社長の対談も、対立から「一緒に」

 

 「VSからWITHへ」と題し、大垣会長と図書館総合支援事業を手掛ける「TRC」の谷一文子社長によるトークショーもあった。図書館の本の貸し出しは出版社と著者の利益を侵害しているという意見も出るなど、対立することもあったという。

 大垣会長は「本をよく読んだことがない中高生もいて、危機感を感じている。一緒にできることがあれば」と話した。谷社長も「地元の本屋が図書館の中にあるのも面白い。刺さるものを出していき、読書する人の裾野を広げていきたい」などと語った。

大垣会長と谷一社長の対談
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北川壱暉

 1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。

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