8月末に台風10号が猛威をふるいました。この台風は夏休み最後の思い出作りに行動制限を及ぼし、新学期のスタートも不安にさせました。この時期は台風シーズンですし、日本列島はどこにいても災害は起こります。この記事が載る頃には新たな台風に用心しているかもしれません。
私は先日、自然災害による交通機関の乱れで、帰宅困難者になる体験をしました。出張先で昼間の好天が嘘のように夕方からは叩きつけるような土砂降り。悪い予感が的中し、多くの列車が運転見合わせから運休になりました。
もう一泊して始発で帰る方法もありましたが、翌日は地元で朝から大事な会議。テレビなどでこのような時、他の交通手段を必死に探している方の気持ちがよくわかりました。
私もあらゆる手段を検索しましたが他に方法はなく、運転か運休かまだ決まっていない最終の特急列車に一縷(いちる)の望みを託しました。なんとか30分遅れで出発し、徐行や停止を繰り返したので、かなり遅い帰宅を覚悟しました。しかし途中で1時間半の安全確認停車。豊橋が遥かイスカンダル星になりました。
その頃から車内では、個人の意思は通用しないものと誰もが理解し落ち着いていました。名古屋着午前1時42分。乗客全員ホームに集合し、休憩列車を準備する説明がありました。その後カロリーメイトと水の支給があり、始発まで列車で寝ました。
特急乗車前の駅員の応対、車内での車掌の説明、名古屋駅での受け入れ体制。感心したのは、慣れているとかマニュアル通りに的確というところでなく、親身に相手の立場になった丁寧な接遇、憐憫(れんびん)の情が表れていることです。そこがプロであり一流と言われるゆえんだと思いました。
すぐに生徒たちにこの体験談をと、何事もただやるだけでなく、相手の立場や気持ちになって行動しようと話しました。戒めでもありますが、天災は忘れた頃にやってきます。常在戦場の心持ちが必要ですね。どの水でも同じですが、この時の水は美味しく感じました。これがプライスレス!?
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