石斧使った雨宮さんの丸木舟作り始動

2021/08/14 00:00(公開)
杉の木に自作の石斧を入れる子ども=東栄町振草で
杉の木に自作の石斧を入れる子ども=東栄町振草で
 山梨県甲州市の大工、雨宮国広さん(52)が東栄町で、縄文時代の石斧(せきふ)を使って丸木舟を作るプロジェクトをスタートさせた。12日はクラウドファンディング(CF)で資金を寄せた県内外の子どもたち12人が参加し、手作りの石斧で杉の伐採に向けて作業した。
 雨宮さんは2019年、杉をくりぬいた丸木舟で台湾から沖縄県与那国島へ渡る航海実験に参加した。今回、新たなプロジェクトとして、東栄町に自生する杉を使って長さ11㍍、7人乗りの丸木舟を作り、全国を航海をすることになった。友人で、町内に住む森下博司さんが協力し、振草にある樹齢約300年、高さ46㍍、直径1・6㍍の木を石斧で伐採する。
 プロジェクトは11日に始まった。CFで町内はじめ岡山、兵庫、山梨県から申し込んだ子どもが訪れ、ヒノキと松の枝、蛇紋岩で石斧づくりを体験した。
 12日には斧で木を倒す作業を始めた。雨宮さんは「50年生きた木にも一つの命がある。作業を始める前に感謝しましょう」と参加者に呼び掛けた。そして、木を倒す方向から切ることを教えた。子どもらは木に向かって頭を下げてから斧を入れた。
 岡山県備前市から父と参加した森本創馬さん(11)は「刃が外れてしまい悔しかった。丸木舟が完成したら乗りたい」と話した。
 雨宮さんは29日までに杉を切り倒す計画だ。その後、丸太になった杉を山梨県の西湖に運ぶ。来年5月以降に北海道から沖縄までを1年かけて巡り、希望者参加型で丸木舟を作る。
【安藤聡】
製作活動に使われる樹齢約300年の杉
製作活動に使われる樹齢約300年の杉
石斧づくりをする子ども
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