後継者育成へ田原凧保存会が初凧勉強会

2022/02/26 00:00(公開)
熟練凧師の手ほどきを受ける水野さん㊨=田原まつり会館で
 田原市田原町のまつり会館を中心に活動する「田原凧(たこ)保存会」は25日、会館で初凧後継者勉強会を開いた。熟練者と新人の凧師計12人参加し、伝統の技を伝え、学んだ。
 初凧は田原町周辺地域で江戸時代から続く伝統行事。端午の節句に、勇壮な武者絵などが描かれた凧を揚げて子どもの健やかな成長を願う。昨年の古くなった初凧の再生プロジェクトなどを通し、新人の凧師が育っている。例年開催される凧まつりを前に、初凧の注文が増加していることから、勉強会で凧作りの技術継承を強化した。
 伝えるのは凧の骨作りから紙の貼り合わせ、勇猛な武者や歌舞伎絵の描き方と多岐にわたる。骨作りは凧の基本になり、うまくできなければしっかり飛ばない。熟練の凧師が、かんなやドリルなどの道具を使い、手際よく骨を仕上げていく様子を、新人の凧師が見て覚えた。
 紙の貼り合わせは、失敗すると絵の仕上がりが悪くなる。のりが多いと貼り合わせた部分が凸凹になり、少ないと剥がれる原因になる。
 武者絵は筆や色の使い方で印象が変わる。指導を受けている水野加奈子さんは、2枚目の作品として初凧の絵を手がけている。ごまかしの効かない顔を描く時が一番緊張するという。「どきどきしながら慎重に描いています」と話した。水野さんの父で凧師の鳥井賢次さんは水野さんが取り組む姿を見て「こんな日が来るとは思わなかったが、跡を継いでくれてうれしい」と笑顔で話した。
 初凧の製作受け付けは4月30日まで。和紙25枚分の大きさの特大は6万円、16枚分の大は4万円、9枚分の小は3万5000円。家紋を入れると5000円増し。問い合わせは田原まつり会館(0531・22・7337)へ。
【岸侑輝】
重りを使って骨の反り方を確かめる
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