手話通訳者が演者で舞台へ

2022/08/16 00:02(公開)
「楽屋」をPRする舞台手話通訳者の加藤さん=プラットで
豊橋プラットで9月10、11日に演劇「楽屋」

 舞台手話通訳付き演劇「楽屋-流れ去るものはやがてなつかしき」(豊橋市、市文化振興財団主催)が9月10、11の両日、「穂の国とよはし芸術劇場プラット」で開かれる。手話通訳者が舞台脇にいるのではなく、演出家の指導を受けた演者の一人として舞台に立ち、セリフや情景を手話で伝えることで物語により深みを持たせるのだ。稽古開始を前に、舞台手話通訳で出演する加藤真紀子さんと、プラット事業制作部の加賀茅捺さんに話を聞いた。
 プラットが「バリアフリーの文化芸術の発信」を目的に取り組む全国的にも珍しい公演で、昨年2月に上演した舞台手話通訳付きリーディング公演「凛然グッド・バイ」に続く。「楽屋」(清水邦夫作、樋口ミユ演出)はチェーホフの「かもめ」を上演する劇場の「楽屋」で繰り広げられる「生者」「亡霊」の女優4人による舞台への夢や執着を描く話だ。
 舞台手話通訳者は加藤さんら3人。タイミングよく交代ながら通訳し、手話をしない場面では脇役を演じて舞台に立ち続ける。演出家の指導の下、舞台上で同時通訳するのだが、前回「凛然グッド・バイ」よりも演者が多いこと、生者と死者がいること、劇中劇があることなど難易度が高いのは想像に難くない。
 3人は6月頃に台本をもらって手話に起こし、手話監修の河合依子さんの指導を受けたり、オンラインで稽古を重ねたりしてきた。通訳者のうち2人は昨年に続く出演。「手話と同時に俳優の演技も見てもらわなくてはいけない。芝居に溶け込みながら視線を誘導するのは難しいが、情報はきちんと伝えたい」と加藤さん。通訳交代時に違和感が出ないための練習もしているという。
 稽古開始は29日。加藤さんらもその日から参加し、立ち位置などをつかんでいく予定だ。「手話が入ることで作品への理解が深まる。会場のアートスペースの新たな使い方にも注目して」と加賀さんはPRする。
 両日とも午後2時半開演。全席自由(日時指定、入場整理番号付き。未就学児不可)で、一般2000円、25歳以下1000円、高校生以下500円。聴覚に障がいのある人のサポートとして、FM補聴器(各回10人)やポータブル字幕機(各回4人)も貸し出す(いずれも9月3日までに申し込む)。チケット購入、各種問い合わせはプラットチケットセンター(0532・39・3090)へ。
【田中博子】
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