思いを語るウエディングプロデューサーの中山さん
新型コロナウイルス禍でイベント業界は苦戦を強いられている。特にブライダル業は人口減や晩婚化の影響も大きく、小規模化する結婚式を盛り上げようと健闘を続けている。東三河を中心に全国で活動するフリーの若手ウエディングプロデューサー、中山亜紀さんもその一人だ。
三重県鳥羽市出身。以前はマリエール豊橋に8年間勤めていた。2021年6月にマリエールが閉館を迎えた後に独立。ウエディングを中心にイベントのプランニングを手がけている。
学生時代から誰かの間を取り持ったり、他人の魅力探しが好きだったという。三重大学卒業後は接客業を考えていたが、友人に勧められてブライダル業界に足を踏み入れた。「人の人生の節目に携われるのは、とてもすてきなこと。一過性ではない、2人にとってずっと大切になるような場所を作りたい」と語る。
9月には田原市南神戸町にあるキャンプ場「表浜ほうべの森」での結婚式をプロデュースした。東三河では珍しい、完全屋外型の式だ。
プランニングには約8カ月かかった。木々に囲まれた緑豊かな場所で、来てくれた人が過ごしやすく、家族の一員として犬などペットも参加できる―。新郎新婦の希望を一つ一つ確認しながら、2人が真に何を望んでいるかをくみ取っていく。「2人にとってどこがベストか、式場に限らず検討し、一緒にプランを作り上げていく」とプロデューサーの仕事を語る。「2人が見えていない部分はしっかり指摘する。『こんなはずじゃなかった』をなくしていく」
準備期間にも新郎新婦はさまざまな課題や現実に直面する。もめることもある。それらを乗り越えて式を挙げることで、どんな家族になるかを見据えることができる。「結婚後も大変なことは多い。式での経験を生かして乗り越えていってほしい」と願いを込める。
中山さんが大切にしているのは、式を介して良い出会いをしてもらうこと。新郎新婦の縁者だけでなく、会場、スタッフ、フォトグラファーなど関わった全てだ。「式やイベントを通して、地域の良い人や良いところを知ってもらい、東三河を盛り上げていきたい」と笑顔で語った。
中山さんへの問い合わせはインスタグラム=QRコード=または電話(090・4110・8381)、メール(akinakayamaproduce@Gmail.com)へ。
【岸侑輝】
9月にあった完全屋外型の式典=ほうべの森で(提供)