地域の社会課題とビジネスを両立する事業構想プランを競う「東三河イノベーターズゲート2022」が24日、豊橋市内であり、事前選考を通過した地元企業などの5組が発表した。地域に根差した介護サービスのプラットフォーム「はぴケア」を提案した「JAひまわり」(豊川市)のグループが豊橋市長賞に選ばれた。
自動車部品製造「武蔵精密工業」が2017年に始めた社内事業提案会から発展した。同社が駅前のビルで運営するインキュベーション施設「MUSASHi Innovation Lab CLUE(ムサシ・イノベーション・ラボ・クルー)」で開いている。
今年度は7企業、団体から従業員らが参加。いずれも社内や組織内での事業化や起業を視野に構想を練った。1月の事前選考で同社のほか、豊橋市やサーラコーポレーション、三菱東京UFJ銀行、JAひまわりから参加した5組が最終選考に進んだ。
この日の最終選考では浅井由崇市長や大塚浩史社長ら参加企業や団体の代表者のほか、ベンチャーキャピタルやスタートアップ支援組織などの関係者らがコメンテーターとして審査した。
豊橋市長賞を受けた「はぴケア」は、要介護者が求めるサービス、介護ヘルパーの就労ニーズなどをつなぐプラットフォーム事業だ。夜間利用など要介護者へのきめ細かなサービスを提供する一方で、「すき間時間」を有効活用したいヘルパーの就労ニーズなども満たすのが狙い。
ヘルパーを自宅へ上げる抵抗感も「事前アンケートで『農協関係者なら安心』と多くの回答を得られた。地域密着と全国ネットワークを持つJAブランドを生かした展開が可能」と事業の将来性を訴えた。
最優秀賞は、農産物を主体とするインターネット販売(EC)のプラットフォーム「食べジョイ」を提案した三菱東京UFJ銀行の行員グループが受賞。ECで生産者の大きな負担となる送料を抑えられる仕組みなどが評価された。
【加藤広宣】