「あいMハーモニカクラブ」10周年記念音楽会

2023/05/18 00:00(公開)
あいMハーモニカクラブによる10周年記念音楽会=あいトピアで
 愛知県盲人福祉連合会(愛盲連)の有志で作る「あいMハーモニカクラブ」は17日、豊橋市総合福祉センター「あいトピア」で「10周年記念ハーモニカ音楽会」を開いた。メンバーは楽譜の読めない視覚障害者。懸命に練習した楽曲の数々を披露し、集まった聴衆に優しい音色を届けた。
 発足のきっかけは12年前。市内の久曽神まつ枝さん(ハーモニカ振興会講師)が中原町の障害者施設「授産所ふくふく」に月1回慰問に訪れており、演奏を聴いた利用者で視覚障害のある伊藤寛美さんが指導を依頼した。「見えなくても音は感じられる。見えなくてもできることがあるのを皆に共感してもらいたかった」と伊藤さん。
 久曽神さんが快諾したためクラブを立ち上げ、10年前から愛盲連が指定管理者を務める「明生会館」を拠点に活動を始めた。月1~2回の練習を重ね、年1回は発表会に出演。久曽神さんが20年以上指導する市内の「穂の国ハーモニカファミリー」とも交流を続けた。
 最初は「かえるの合唱」などの童謡から始め、今は歌謡曲や映画音楽までこなす。楽譜が読めないため、久曽神さんは指導法を工夫した。課題曲を録音し、その後に自身で数小節ずつ音階で歌ったものを録音、テープを渡して「耳コピー」してもらう。「私たちは困ったら楽譜に頼れるが、生徒は自分しか頼れない」と久曽神さん。1曲マスターするごとに自信がつき、明るくなった人も多いという。
 コンサートは全員の「クワイ河マーチ」「ふじの山」で幕開け。市内外の11人が独奏や数人による合奏を披露し、観客から大きな拍手を浴びた。愛盲連の仲間によるウクレレや踊りのゲスト出演のほか、「穂の国ハーモニカクラブ」による友情演奏もあった。
 「10年はあっという間。障害があってもやりたい気持ちがあれば教えてさしあげたい。今後も一緒に楽しく進みたい」と久曽神さん。グループ名を考えた山本真地子さんは「自分たちに何ができるのか、と考えた時の目標の一つになり張り合いが出た」と話す。休止していた伊藤さんも「これを機に再開したい」と笑顔を見せた。
【田中博子】
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