豊橋市中央図書館で羽田野敬雄関連史料の速報展

2023/06/18 00:00(公開)
史料の解説をする岡村学芸員=豊橋市中央図書館で
 豊橋市中央図書館は、国学者の羽田野敬雄に関する史料の速報展を開催している。1860年、大老の井伊直弼が暗殺された「桜田門外の変」などを記した書簡、古文書など5点を展示している。入場無料。25日まで。
 羽田野は、49年に中央図書館の母体「羽田八幡宮文庫」を設立した。昨年、図書館がその関係者から「遺品整理の際に資料が見つかった」と相談を受け、調査していた。
 羽田野宛ての書簡の中には、桜田門外の変や禁門の変などのことが書かれている。特に桜田門外の変については、事件発生から襲撃者の特定と逃亡経路、けが人の様子などが記されている。
 日本近世・近代史を研究する岡村龍男学芸員は「江戸の様子が、遠く離れた三河まで伝わっていたことが分かる貴重な史料だ」と話した。
 さらに、羽田八幡宮の書籍奉納を国学者仲間の平田鐵胤(かねたね)があっせんしていた様子を示す書簡も見つかった。図書館によると、羽田野が国学者仲間を通じて、著名人に書籍奉納を呼び掛けていたことが裏付けられたとしている。
【北川壱暉】
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