県認知症グループホーム連絡協議会東三河ブロックは、初の取り組みとして施設の垣根を超えた旅行を計画。公共交通事業者としては全国で初めて「オレンジイノベーション・プロジェクト」に参画する豊橋鉄道と協力し30日、渥美半島の日帰り旅行を催行した。
豊鉄グループは認知症理解の取り組みを進めており、認知症啓発イベント「RUN伴」や徘徊(はいかい)予防効果がある「バスの来ないバス停」設置などをしてきた。今回、東三河の交通を担う一事業者として、認知症になってからも今まで通り暮らし続けられる社会の実現を目指し、経済産業省が推進するプロジェクトに参画した。
旅行は協議会の山本ゆかり会長が発案。4月から豊橋鉄道とともに準備を進めてきた。「昭和 伊良湖満喫旅」として回想法も取り入れ、昔ながらのバスツアーを再現。豊橋、豊川、蒲郡、新城から11グループホームの利用者や家族、職員、友人ら約50人が参加した。バスを大型に変更しても定員オーバーになるほどの人気だったという。
田原市の道の駅「めっくんはうす」「あかばねロコステーション」での買い物や、潮音寺での観覧、「龍宮の宿」では大広間で昼食をとり、職員らが「マツケンサンバⅡ」を踊るなどして楽しませた。車内でも元バスガイドだった元町グループホーム管理者の内藤きみ子さんが、手作りの地図を用意するなどして案内。参加者からも大好評だった。豊橋鉄道側もバスのステップに踏み台を置くなど転倒防止に配慮した。
「皆さん大喜びで『次回は一泊も』という声もある。今後も続けたい」と山本会長。豊橋鉄道総務部副長の赤川景子さんは「今後も対象が広げられるよう試行錯誤しながら進めていきたい」と述べた。
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愛知県豊橋市生まれ。大学卒業後、校閲記者として入社。1年後に報道記者に転身した。2020年から報道部長。芸術、福祉、経済・奉仕団体などを担当する。趣味は、かなりジャンルに偏りのある読書と音楽鑑賞。思考のそっくりな一人娘と趣味を共有している。
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