産業機器等製造販売の「バルカー」（東京都）の子会社「バルカーメタルテクノロジー（ＶＭＴ）」（新城市）は、田原市浦町に機能樹脂特殊タンク製品などを製造する新工場を建設すると発表した。26日、地鎮祭があった。
　バルカーの瀧澤利一ＣＥＯやＶＭＴの東野公夫社長、工事関係者が玉串を奉納し、神事を執り行った。
　新工場は半導体製造に必要な超純度の薬液などを保存するために使うライニングタンクを生産する。同社は最先端半導体向け超純度薬液貯蔵タンクで世界最高の実績とシェアを持つ。
　米ヒューストンや台湾の高雄市、上海市松江区といった半導体製造拠点に工場がある。近年の国際関係でサプライチェーン上の地政学リスクが高まる中、国内製造を求める声や半導体生産国内回帰の流れを受け、日本の中心に近く、道路など輸送インフラが整っている田原市に建設を決めた。
　敷地は約１万１５００平方㍍。鉄骨造２階建て一部平屋。国内最大級で、同社の工場としては台湾工場に次ぐ２番目の規模。稼働は２０２５年１月を予定する。
【岸侑輝】