川売集落の梅干し継承へ 大江さんがCF

2024/03/02 00:00(公開)
梅干し加工場改修のCFを始めた大江さん(提供)
 豊橋市の大江晃正さん(48)が、新城市海老の川売(かおれ)集落で梅の加工場の改修を計画した。1日からクラウドファンディング(CF)=QRコード=で資金の調達を始めた。
 大江さんは2021年、指定難病の潰瘍性大腸炎と診断され、体調管理のために無農薬栽培の梅干しを食べ続けている。そんな中、妻の実家が川売集落にあり、梅農家の義祖父母も亡くなって後継者がおらず、家屋と梅の木が残るだけになっていることを知った。畑の維持のため2年前の秋に草刈りや枝ぶりを整える作業を始め、昨年は実を収穫して漬け物づくりができるまでになった。
 商品化しようとしたが、改正食品衛生法が6月1日に本格施行する時期と重なった。ネズミや虫の侵入対策やほこりの付着防止などの衛生管理の徹底が厳格化され、洗い場や壁紙、天井の設置などを改修したうえで保健所の漬物製造業の許可が必要となった。
 目標金額は190万円。改装工事や備品購入に充てる。CFは4月15日まで。工事は4月下旬に始め、建設業者の仲間が担うという。リターンは今年収穫の梅干しで8月31日から発送を予定する。
 集落は梅の花の名所として知られるが高齢化による後継者不足が課題だ。大江さんは近隣農家で収穫した実を使っての梅干し作りも視野に入れる。「農家が手入れをしているので、きれいな景色が広がる。梅干しを食べる文化を残し、産業を維持したい」と語る。
【安藤聡】
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