【コラム】ゆうカフェ〈103〉育児から職場復帰も援助促進(後藤社会保険社労士事務所・後藤祐子)

2024/11/20 00:00(公開)
「イクメン」が増えつつある

 少子化の急速な進行や女性の職場進出といった社会環境の変化に伴い、雇用保険制度も移り変わっています。そのひとつが「育児休業給付」。取得しやすい育児休業と円滑な職場復帰を援助促進するために設けられたものです。

 

 2022年10月スタートの新制度では男女問わず仕事と育児が両立できる社会を実現することを目的に、「育児休業の分割取得(2回まで)」と「出生時育児休業(産後パパ育休)」の取得が可能となりました。今回はその給付の基本について考えます。

 

【育児休業給付金】

 

・男女問わず育児休業を取得した場合、申請により支給される給付金。受給資格や支給要件は雇用保険の被保険者期間と労働日数の状況で判断されます。

 

・給付額(上限と下限あり)

①休業中の賃金支払いがないケースでは、休業開始から180日以内は「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」

②休業中の賃金支払いがないケースで、休業開始から181日以降は「休業開始時賃金日額×支給日数×50%」

③賃金支払いがあるケースでは、支払額に応じて給付率が変わる場合があるため支給額の変動があります。

 

【出生時育児休業給付金】

 

・「産後パパ育休」とも称され、産後8週間以内に4週間(28日)を限度として、2回に分けて取得できる休業制度です。

 

・一定の要件を満たせば申請により受給でき、支給条件は育児休業給付金とほぼ変わりません。

 

・部分的な就業が認められるケースもあるため休業中における就業日数の条件は異なります。

 

・給付額は育児休業給付金と同様、給付割合は67%となっています。

 

 「産前・産後休業中」「育児休業期間中」は社会保険料が免除となり、また給付金は非課税のため所得税と住民税の負担が減る可能性もあります。育休制度は法改正とともに変化し続けていることから、常に最新の情報を周知することが大切。2025年4月より改正となる点についてはあらためて紙面で考えます。

 

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