豊川特別支援学校の保護者有志が要望書
県立豊川特別支援学校の保護者有志は17日、「福祉避難所設置に関する要望書」を豊川市の竹本幸夫市長へ提出した。災害時に地域に開設される避難所に発達障害などがある人が行くのが難しいことから、「最初から入れる避難所をつくってほしい」と訴えた。実現すれば県内でも珍しいという。
市では現在、福祉避難所が「ゆうあいの里」など6カ所ある。ただ、福祉避難所に入るにはまず、地域に開設される避難所に行き、そこにいるのが難しいケースのみ移れるというのが運用だ。
保護者は「発達障害があると衝撃的な行動や奇声、大声などを発する可能性が高く、地域住民がいる避難所に行くのが難しい」の声があがる。能登半島地震などでも課題にあがっている。
具体的な要望は、豊川特別支援学校を福祉避難所に指定する▽地域の指定避難所を経由しなくても、始めから支援学校に避難できるようにする▽支援学校の生徒や卒業生ら発達障害のある人が優先的に避難できるよう取り扱う▽簡易テントの配備-などと訴えた。署名活動も展開し保護者、福祉関係者、地域住民らから1524筆が集まった。
竹本市長が前向きに検討
竹本市長は「保護者の皆さんが避難所の運営に協力していただけるのなら、前向きに検討したい」と述べた。
代表の久祖神周さんは「息子が重度の知的障害を抱えており、不安になると大きな声を出す可能性が高く、地域の避難所に行くのは難しい。障害を抱える人が最初から行ける避難所があると助かる」と訴えた。また別の保護者は「災害時に避難所へ行かず自宅に残ることを覚悟していた」と述べた。
市では今後、支援学校と協議を進め、開設の方向で議論していきたいとする。
【竹下貴信】