猫の親子救助願うSOS

2024/06/01 00:00(公開)
猫の救助を求める走り書き※一部加工しています(いずれも提供)
伊良湖の観光地で目撃、ハーツに匿名の手紙

 5月19日、動物福祉団体「命にやさしいまちづくり ハーツ」の豊橋市内の連絡先に、1通の手紙が届いた。田原市の観光地で見かけた飼い主のいない猫を助けてほしいというSOSだった。
 代表の古橋幸子さんによると、手紙は匿名で観光客らしい。ありあわせの粘着メモのような紙2枚に、走り書きがあった。手紙の主は田原市伊良湖の観光客が立ち寄る場所におり「やせた親猫と子ねこ5~6匹いました。しらすをあげるとむさぼり食べていました。ネットで保護団体を調べました。助けてください」という内容。5000円札が同封されていた。
 古橋さんが27日に仲間と一緒に現場に行った。生後2カ月ぐらいの子猫6匹と、親とみられる雄2匹、雌2匹がいた。子猫は雑然と荷物が置かれた狭い場所に潜り込んでいた。

まずは子どもから保護

 その場所を管理する会社の責任者は不在。帰ろうとしたが、子猫は風邪で涙目になっており、痩せて具合が悪そうなだった。折しも荒天が予報されていた。「次の週末まで待っていたら、この猫たちはもっと悪くなってしまう」と判断し、子猫だけを連れて帰ることにした。1匹は逃げてしまったので、とりあえず捕まった5匹を連れて豊橋市に戻った。もう1匹は現場で餌を与えている人が捕まえてくれた。
 親猫4匹はまだ残っている。古橋さんは、次の繁殖期までに捕獲して不妊去勢手術することを考えている。田原市は今年度から猫の手術費の助成を始めた。この制度を利用したいという。

「たはランティア」と協力で譲渡会など検討

 一方の子猫はまだ入院中だ。「Aichi穂の国ライオンズクラブ」が2匹の預かりを申し出てくれた。市立田原中学のボランティアクラブ「たはランティア」の力を借りて、子猫のチラシ作りや、学校で猫の譲渡会の開催可否を協議するという。古橋さんは「新しい飼い主を見つけてやりたい」と話している。
【山田一晶】
捕獲する前の猫=田原市伊良湖で
この後、病院に運ばれた
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