県文化財に昇格、豊橋・普門寺と羽田八幡宮の収蔵資料

2024/07/31 00:02(公開)
国内最古の起請木札「僧永意起請木札」
 県文化財保護審議会は8月6日付で、豊橋市雲谷町の普門寺が所蔵する木札など4件、同市羽田町の羽田八幡宮文庫の旧蔵資料(9218点)1件を県有形文化財に昇格指定する。木札は平安末から中世にかけての密教文化の変遷が分かり、羽田文庫の資料群は近代図書館の先駆けとなった経緯を示す資料としての価値が認められた。

 普門寺は「僧永意起請木札(そうえいいきしょうもくさつ)」とその内容の写し▽「四至注文写木札(しいしちゅうもんうつしもくさつ)」▽同木札の写し▽「三界万霊供養木札(さんがいばんれいくようもくさつ)」―の4件が指定。2017年に市文化財に指定された。
 起請木札は寺の規律(起請)を板書し、本尊近くに掲示された。平安末の1161年の作で現存最古の起請木札。一部欠けており、1679年の写しを付属指定した。
 四至注文写木札は鎌倉時代の1325年に完成した。寺領を東西南北で示したもので、市文化財センターによると、現在の二川地区から静岡県境まで広域だったとみられる。1368年に作った全文の写しが残る。三界万霊供養木札は戦乱や天災の犠牲者を供養する板書で、16世紀には供養者の名と出身地が細字で加筆された。現在も残る大岩、大脇などの地名が記されている。

 羽田文庫旧蔵資料は現在、市図書館が9000点余、羽田八幡宮が173点、湊町神明社が5点を所蔵する。2020年市文化財指定。
 このうち「羽田文庫紅葉図」は明治初年までに作られ、敷地内での書庫や閲覧室の配置がわかる資料。木製の貸出箱には筆書きで貸出冊数や破損の際の弁償などのルールが記され、箱の存在とともに近代図書館の起源を裏付けた。ほか、徳川斉昭の著作「破邪集」などもある。
 中央図書館では9月28日午後2時から、県立大の大塚英二名誉教授を迎え記念講演会を開く。普門寺では11月21日から始まる「普門寺もみじまつり」で一般公開する。
【加藤広宣】
図書館としての機能を裏付けた「羽田文庫貸出箱」
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