5日に陸上男子400㍍障害予選
県立豊橋南高校出身の小川大輝選手(東洋大学3年)が、パリ五輪の陸上男子400㍍障害の予選(日本時間5日夜)に出場する。母美穂さんがエールを送った。
6月下旬に新潟市であった日本選手権で48秒70を出し2位。パリ五輪参加標準記録を突破した。前半は先行を許したが、9台目に2位争いに加わると、後半は驚異的なスパート。「勝負強さをみせることができ、自信につながった」と振り返った。
陸上を豊橋市立石巻中学1年で始め、最初は3000㍍選手だった。だが、長距離は合わないと2年生で中距離に転向する。高校では、顧問の黒田昭夫教諭らの勧めで本格的に400㍍障害に取り組んだ。花開いたのは3年春。冬に腰のけがで2カ月間練習できなかったハンディがあったが、インターハイで6位に入賞した。
進学先は、高校時代の先輩の所属していた東洋大。「大学でパリ五輪に出られるタイムが出なかったら、陸上をやめるから」と言って家を出た。美穂さんは「相当な覚悟が伝わってきた」と回想する。
大学ではスピード強化に努めた。トップ選手が前半はハードル間を13歩で走るが、小川選手は前後半とも14歩。減速のない安定した走りができる一方で、スピードがないと前半で引き離される。前半のスピードを上げ、後半につなげる練習を繰り返したことが生きた。
美穂さんは「有言実行力がすごい」と言う。今年の日本選手権の数週間前、「絶対に表彰台にのぼるから」と言っていたという。「出るとしたら次のロス五輪なのかなと思っていたが、パリ五輪を決めるとは」と話す。「高校生になってから、風呂の後にストレッチを毎日1時間続けていた。決めたことをやり切る力がそうさせたのかな」と語った。
レース当日は、美穂さんは家族らと現地で声援を送る。壮行会があった日に家族で食事に行ったといい「応援している。楽しんでおいで」と声を掛け、本人は「頑張ってくるよ。準決勝に残りたい」と応えたという。「夢の舞台で悔いのないように」とエールを送った。
【北川壱暉】