のろのろした速度で日本列島を迷走した台風10号は熱帯低気圧に変わったが、引き続き大雨や土砂災害への警戒が欠かせない状況が続く。豊橋市などでは昨年6月の豪雨の教訓を生かし、できる限りの備えで浸水対策に臨んだ。
豊橋市と豊川市を流れる豊川(とよがわ)の中流域では、昨年の豪雨に伴う浸水で道路が冠水したり、住宅や農業施設へ浸水したりと被害が広がった。
今回は気象台が8月31日午後2時46分に大雨警報(土砂災害、浸水害)を両市に発表。豊橋市は午後4時、流域の賀茂、下条、牛川の各霞堤地区に「警戒レベル3」(高齢者避難)を発令した。
下条地区では昨年、新築住宅を中心に車の浸水被害が目立った。豊川の水位が増す中、昨年6月の悪夢がよみがえる思いだったと住民らは振り返った。
同じ集落の瑞龍寺によると、集落では古くからの世帯では、土地のかさ上げが常識だった。一方で、分譲住宅などの新築は駐車場のかさ上げまでは手が回らない世帯が多いという、
そこで、林博道住職は境内の駐車場(40台収容可)を地元住民らに開放した。近隣から6台が利用したという。
林住職は「今回は被害がなかったが、昨年の経験が住民の脳裏に焼き付いている。地域に根差した活動として、今後も開放したい」と話した。
【加藤広宣】