宿泊業にも「カイゼン」 蒲郡市の2施設が事例発表

2024/12/13 00:00(公開)
ひがきホテルの発表=ウインクあいちで

 ものづくり現場で浸透している「カイゼン」を宿泊業に取り入れ、生産性の向上を目指す県の取り組みが今年度から始まった。12日、名古屋市中村区の「ウインクあいち」で、蒲郡市の2施設を含む4宿泊業者が「改善成果発表会」で自社の例を紹介した。

 

 宿泊業は観光関連産業の中核だが繁閑差が大きく、雇用の安定や最適化が図りにくい。現在の未曾有の人手不足もあり、労働生産性の向上が喫緊の課題だ。一方で多くが中小規模事業者で経費負担を伴う新技術導入や施設改修が進めづらい。

 

 そこで県観光コンベンション局は「カイゼン」のノウハウを宿泊業に取り入れることを提案。9月に希望する業者を募り、一般社団法人「中部産業連盟」からコンサルタントを派遣し、業務改善を進めてきた。

 

 発表したのは蒲郡市の「三谷温泉ひがきホテル」「平野屋」と、名古屋市中区の「名古屋クラウンホテル」、幸田町の「天の丸・風の谷の庵」。

 

 ひがきホテルは「客室清掃」「食事提供業務」「食材原価の管理」がテーマ。客室清掃は作業を共通化しにくい。そこで仕事ぶりを動画で撮影し、マニュアルを作った。食材原価は主要5品目に絞り、価格を管理した。この結果、客室清掃は現状維持傾向の強いベテランスタッフにもマニュアルで指導しやすくなった。また食材原価では、管理職とスタッフの意見交換が活発となる副次的効果もあった。

 

 平野屋も客室清掃をテーマにした。部屋の清掃にどのような作業があるのかを場所ごとに分類し、注意点、達成レベル、所要時間などのシートを作った。シーンごとの作業手順書を作り動画を作成。業務が具体化し、指導時間や業務習得時間が短縮された。労働時間が圧縮できたほか担当スタッフを削減、別の顧客ニーズに合った仕事に振り向けることができた。

 

 各社は今後もカイゼンを続けるとしている。

 

参加者の質問に答える平野屋の担当者
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山田一晶

1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。

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