「日本一マッチョが多い介護の会社」として知られる名古屋市中区の「ビジョナリー」は今月、東三河初となる障害者グループホーム「NOIE TOYOHASHI(ノイエ・トヨハシ)」を豊橋市上野町上野にオープンさせた。リーダーの鷲見拓也さん(29)がチームを率いる。利用者を募集している。
鷲見さんは岐阜市出身。消防士になり、救助活動などの消防全国大会に出場していた。当時からジムに通っていたが「海で体を見せびらかすためでした」と笑う。
公務員なので異動がある。大会に出られなくなると、目標を見失った。退職し、大阪で働くなどしていたが、岐阜に戻る際に目に留まったのがビジョナリーの記事だった。2023年に入社した。
会社の特長は、フィットネス実業団「7SEAS」に入ると、福利厚生として8時間の勤務時間のうち、2時間までを筋トレに充てることができること。全国に約170店あるジムが無料で利用できるうえ、月2万円までのプロテイン代、コンテスト出場にかかる費用や交通費の支給などもある。ジムは選手でないスタッフも健康維持のために無料で利用できる。
鷲見さんもほぼ毎日ジム通いをする。胸や腕など、鍛える部位を決めてそれに合わせたトレーニングをする。「休むのが怖いので毎日続けている」という。会社の看板となる5人のプロ選手の一人だ。
介護職は離職率が高いという。厚生労働省によると、理由は待遇や人間関係が多いが「腰痛など健康を害したため」が入所系で7・8%にのぼる。鷲見さんらは鍛えた体幹と筋肉で、人を抱き上げるなどの重労働も無理なくこなせる。「けがをしない体の動かし方を学んできたことも大きい」と語る。トレーニングの動き一つひとつを考えながらこなしているのだ。
日々の仕事は、排泄の支援、食事の準備、お出かけの付き添いなどがあり、そこは他と変わらない。「利用者がトイレの後で手を洗い、ペーパータオルで手を拭くといった最初はできなかったことが少しずつできるようになっていく。他で断られた人が、うちでは落ち着いて生活してくれる。そんなことがうれしい」と言う。
知立市の施設と豊橋市の施設のリーダーを兼務する。それぞれ8~9人のスタッフを指導する。「会社のモットーに『なりたい自分』を諦めなくていい世界にする、とある。障害があっても、自分の目指す生活を諦めなくていいように手伝いたい」と語った。
施設の見学などを随時受け付けている。問い合わせはノイエ・トヨハシ(0532・39・8725)へ。ビジョナリーは「マッチョ 介護」で検索。
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1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。
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