一般社団法人「あにまるあいず」は昨年8月から月一回、子どもたちに居場所と食事を提供する事業「た・まり・ば」を豊橋市大清水まなび交流館「ミナクル」で開いている。利用者が増えスタッフは大忙しだ。
25日に訪ねた。会場は2階の料理実習室。この日は年長児から中学1年生まで28人が来た。過去最多だという。
子どもたちは宿題をしたり、ボードゲームやトランプ、ゲーム端末で遊んだり。一方、大河さやか代表ら3人は、食事の準備に追われていた。この日のメニューは豚汁とサツマ芋の天ぷら、おにぎりとリンゴ。大鍋で豚汁を作る横で天ぷらを揚げていく。子どもたちはじっとしていないので、その対応にも追われて休む暇がない。
午前11時半、準備ができると子どもたちは行列を作った。おにぎりは、自分で握るのが原則。手のひらを広げ、ラップの上にご飯をよそってもらい、おにぎりの形にする。みんな笑顔だ。「塩」「シャケ」「おかか」があった。この日はシャケが一番人気だった。天ぷらと豚汁を受け取った子に、大河さんが「行ってらっしゃい!」と声を掛ける。実習室のテーブルの好きなところで食べる。配り終わるのに30分。おかわりに並ぶ子もいた。
完全に無償で運営している。「100円を徴収しようかと思ったけれど、それをお母さんに頼めずに来られない子がいるとかわいそうだから」と大河さん。事業費は「あにまるあいず」への寄付金で賄う。また、農家の人たちが野菜を提供してくれる。この日の献立の芋やリンゴもそうだ。さらにキャベツなどがプレゼントされていた。子どもが帰る際に、自宅に持っていってもらう。
「た・まり・ば」を始めようと思ったのは、防犯上、外で子どもたちだけで遊びにくくなったことや、生活の変化で子どもが友達の家を行き来する機会が減ったことがある。「子どもが安心して子どもたちだけで遊べる場所を提供したかった」という。
また、「世界一忙しいお母さん」といわれる母親に、少しでも休んでほしいという思いがあった。だから、中には親の送り迎えに頼らず、自宅から友達と連れ立って来る子どももいる。
「あにまるあいず」は2008年から地域猫活動など動物の保護に取り組んでいる。20年に一般社団法人化した。「た・まり・ば」に来る子どもたちに、動物愛護の啓発をする方針だ。「人間にも、犬猫にも優しい団体を目指しています」と大河さんは言う。
次回は2月22日午前10時から午後1時半。出入り自由で、いつ来てもいつ帰ってもよいが、食事の準備の関係で事前に予約するのが望ましい。
「た・まり・ば」は支援を募っている。詳細は、あにまるあいずの活動ブログから。大河さんは、子どもたちに持たせるための「小分けしたお菓子」を希望している。
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1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。
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