豊橋市伝統の手筒花火を題材にした映画「竹とタケノコ」(川上信也監督)が、2日まで那覇市で開かれた「沖縄NICE映画祭3」でグランプリを受賞した。豊橋市を拠点に、作品をプロデュースした谷口由里子さんは「地域の皆さんやスタッフに早く感謝を伝えたかった」と受賞の喜びを語った。
「竹とタケノコ」は清水尚弥さん演じる三島悠人が主人公。両親役には駿河太郎さんと佐藤みゆきさんを起用した。手筒花火を通じ、すれ違いがちだった親子の絆を再認識する物語。すべてのシーンを豊橋市内で撮影し、出演者や手筒花火の放揚なども地元関係者らが協力した。
映画祭は那覇市で自主制作映像の支援や上映会などを企画するクリエーター組織「NICE」が1月31日から開催。同作品は一般部門で出品、153作品の中から最優秀に選ばれた。
作中での手筒花火づくりや放揚シーンのため清水さんは何度も豊橋を訪れ、氏子らとの交流を深めるなど役作りした。審査員の講評で清水さんが制作者と出演者らを橋渡しし、自然な演技を引き出しているなどと高評価を得た。
谷口さんは豊橋市を舞台にした映画作りのため、3年前に東京から拠点を市内へ移した。作品について「手筒花火のほかにも家族や地域とのつながりなど幅広い要素が絡み、見る人の数だけテーマがある」と魅力を語った。
昨年から市内の劇場公開を始め、各地で上映会を重ねている。コンクール初受賞について「豊橋で続けたことが点から線になりつつある。見る人に豊橋の魅力を伝え、心を豊かにできたらうれしい」と述べた。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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