豊橋市の「大清水まなび交流館ミナクル」が、東三河を舞台に高校生たちの青春を描いたアニメ「負けヒロインが多すぎる!(マケイン)」の聖地になっている。アニメ制作陣らの描いたヒロイン「八奈見杏菜」が、ここで見られるとSNSで話題になったためだ。ミナクルは作中に出てこないのになぜ。始まりは、10月に市内で行われたトークショーにあった。
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昨年12月、入り口右横に「豊橋南高校からお借りしています」の看板とともに、ホワイトボードが登場した。キャラクターの絵が隙間なく描かれ、中央には原作のイラスト担当いみぎむるさん、いたちさん、アニメ監督の北村翔太郎さんによる直筆の絵があった。いたずらっ子のように笑ったり、舌を少し出したり、すましたりと三者三様で、ファンは熱心に見入っていた。
発端は昨年10月20日、声優陣によるトークライブが開かれた市公会堂ロビーであった市内5校の文芸部員による文芸展。豊橋南はファンが自由に絵が描けるホワイドボードを設置した。午前11時頃、サプライズが起きた。お忍びで訪れていたいみぎむるさんがペンを走らせたのだ。そのイラストを本人が投稿すると瞬く間に見物客であふれた。午後には北村さんといたちさんの絵も加わり、思いもよらぬ形で「夢の共演」が実現した。
部員が気づいたのは昼頃。「本人の絵なんだけど」。ファンの須佐真衣部長らが「まさか」と思って見てみると、いみぎむるさんのサインがあり、「企画を頑張って考えたご褒美なのかな」と震えるほど感動したという。SNSでは「永久保存版」という声が相次ぎ、実際に「絶対に残した方がいいよ」と多くのファンから助言をもらった。
だが、ボードは市から借りたもので消して返さなければならない。加えて、これらは立派な「著作物」。顧問の石田桂子教諭は「3人の素晴らしい贈り物を地元豊橋に還元したい」と思い、市担当者に相談すると「せっかくの機会だから」と関係部署や制作会社などに取り次いでもらい、絵を残す承諾を得た。
その後、部内で話し合った結果、「ファンに見てほしい」と開館当時から付き合いのある「ミナクル」に置くことが決まった。加藤喜康館長は「話をもらった時は驚いたけれど、ファンの皆さんが喜んでくれるのなら」と快く引き受けた。石田教諭は「制作陣、市の担当者や館長ら、多くの人の善意のリレーで実現した。マケインはこういった多くの優しい人たちに支えられている」と笑みを浮かべた。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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