日本画壇の「風雲児」と呼ばれた豊橋市出身の画家、中村正義の生誕100年を記念した回顧展「生誕100年 中村正義展-その熱と渦」が豊橋市美術博物館で22日に開幕する。21日、関係者約200人が出席し、開場式と内覧会が開かれた。
1924(大正13)年、豊橋市のこんにゃく屋「織九」の末子として誕生。22歳で日展に初入選し将来を嘱望されるが、画壇の因習に反発して37歳で日展を脱退、独自の画風を確立。77年に52歳で死去した。
美術館での回顧展はこれまで2度開いている。今回は1~2階の全館を使い約180点を展示する大規模回顧展。正義の代表作以外に周辺作家にも注目し、正義の絵のルーツや広がりも探る。
開場式では主催者代表の長坂尚登市長らが「ファンはもちろん、知らない方も強烈なインパクトを持つ作品をぜひご覧いただきたい」などとあいさつ。来賓の「中村正義の美術館」館長で正義の長女中村倫子さんが「亡くなって50年近いが皆さん覚えていてくださって胸がいっぱい。いろいろな作品があるので、多くの人に見ていただきたい」と述べた。
会場では「研鑽の時代-日展と蒼野社」「日本画壇への反逆-日本画研究会発足」など5章に分けて作品を展示。正義の画風の変遷を示すとともに、正義を取り巻く仲間達の作品、舞台美術や建築研究といった絵画以外の作品も紹介。四半世紀ぶりの展示となる「源平海戦絵巻」の「海戦」や壁面を埋め尽くす約30点の「顔」など見どころは豊富。市内小学校を対象に開いた出前授業「正義の顔でふくわらい」の作品も並べている。
展示は3月30日まで。期間中はゆかりの人や専門家による「記念トーク」(全5回)をはじめ、毎週日曜にドキュメンタリー映画「父をめぐる旅」上映、3月15日に琵琶演奏会「中村正義《源平海戦絵巻》とともに」、同月22、29の両日に「春休みワークショップ」がある。一般・大学生1200円、小中高生600円(ほの国こどもパスポート提示の小中学生無料)。
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愛知県豊橋市生まれ。大学卒業後、校閲記者として入社。1年後に報道記者に転身した。2020年から報道部長。芸術、福祉、経済・奉仕団体などを担当する。趣味は、かなりジャンルに偏りのある読書と音楽鑑賞。思考のそっくりな一人娘と趣味を共有している。
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