【コラム】ゆうカフェ〈116〉社会保険料の決定方法(後藤社会保険労務士事務所・後藤祐子)

2025/03/05 00:00(公開)

 社会保険の目的は、「病気」「失業」「老後」「介護」「労災」など、万一に備えることにあります。相互扶助精神に基づく五つの社会保険制度を維持するため、保険料はどのように算出されるのか整理しました。

 

◇「労災保険」「雇用保険」…毎月の給与・賞与額に業種別保険料率を掛けることで算出されます。労災保険料は全額事業主負担。雇用保険料は労使双方で負担しますが、事業主負担の方が多くなっています。

 

◇「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」…「標準報酬月額」に、それぞれ規程の保険料率を掛け算出され、労使折半となります。「標準報酬月額」とは、保険料計算を簡易化するための「みなし給与額」のこと。ある程度幅をもったゾーン(等級)が設定されており、健康保険と介護保険の場合50等級、厚生年金保険では32等級に区分されています。それぞれ当てはまる等級に従い保険料が決まるため、給与変動があっても原則として一定期間保険料は変わりません。「標準報酬月額」は、以下の四つのタイミングで決定や見直しが行われます。

 

①資格取得時決定…新たに入社した際、予定給与額から決定

②定時決定…その年の9月から翌年8月まで適用。毎年4~6月の給与支給額(基本給、諸手当、時間外手当、通勤定期券代など名称を問わず労働の対償として受けるすべてのもの)を平均し算出。年1回見直すことで標準化を図ります。一部の者を除き、原則全従業員が対象となる定例の届出です。

③随時改定…昇給や降給などで基本給などが大幅に変動した時、実態を反映することを優先するため定時改定まで待たずに改定

④産前産後休業・育児休業終了時改定…産前産後休業者・育児休業者が職場復帰後に給与変動があったときの改定

 

 こうして算出された保険料は、従業員負担分を給与から天引きのうえ、事業主負担分と合わせ事業主が納付することになります。「標準報酬月額」や等級がどう決定されるかなど、関心を持ち理解を深めたいものです。

 

「報酬」となるもの一覧(日本年金機構のサイトから)
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