豊橋市と名古屋市を結ぶ「国道23号バイパス名豊道路」が8日、全線開通した。式典が蒲郡市民会館で開かれ、関係者ら約430人が出席して盛大に祝った。
延長72・7㌔の高規格道路で1972年度に事業着手した。知立、岡崎、蒲郡、豊橋、豊橋東の五つのバイパスで構成される。最後に残された蒲郡バイパスの蒲郡IC(インターチェンジ)-豊川為当IC間の9・1㌔がこの日、事業着手から半世紀を経て開通した。
式典では主催者を代表して蒲郡市の鈴木寿明市長が「貴重な土地を提供していただいた地権者、設計・工事をしていただいた民間企業、議員、国土交通省、沿線自治体、地元関係者ら多くの皆さんの協力で、事業着手から52年の歳月を経て、全線開通を迎えることができました」と述べた。
さらに「道は、人や物がつながるだけでなく、52年の時や多くの人たちの夢もつなげます。この道をうまく使い、産業、観光による地域発展や、防災など地域の安全につなげたい」と力強く語った。
このあと会場を蒲郡IC付近に移して、開通セレモニーをした。和太鼓演奏に続いて大村秀章知事らがテープカット。くす玉が割れ「祝 名豊道路全線開通」と書かれた垂れ幕が現れた。
記念パレードもあり、白バイを先頭にパトカー、ラリーカー、消防車、大型トラック、自動車を運ぶトレーラー、乗用車、観光バスなどが、完成したばかりの道路を走行した。
会場に訪れた人たちは、「全線開通でとても便利になり、地域の発展につながる。周辺道路の渋滞も緩和される」と笑顔で語った。
全線開通したことで、豊橋-名古屋間を約1時間で移動できる。国道1号を使った場合に比べて約50分早い。さらに浜名バイパスともつながっており、名古屋-浜松は1時間40分。信号がなく通行料無料で大きな経済効果が期待できる。
物流の効率化の期待が大きい。自動車の組み立て工場が多くある豊田市と三河港のアクセスが向上し、現在は1日で2往復だが、開通後は1日3往復が可能になり輸送コストが約1割削減できるとの試算もある。
他に農産物の輸送の迅速化をはじめ、沿線地域への工場の進出、観光施設などへの来場者増、災害時の救助活動や緊急物資輸送を支えるなど多くの効果が期待される。また4車線化に向けた交通量調査もすぐに始まるという。
午後3時から一般車が通れるようになり、さっそく多くの乗用車やバイクなどが豊橋方面や名古屋方面に向かった。蒲郡市内の一般道の交通量が激減し、渋滞の緩和を実感した。
実際に走ってみると、混雑はしていたが、信号機がなく走りやすい道路だと感じた。蒲郡から豊橋まで一般道だと約40分~1時間かかっていたが、30~40分で行けた。
一方、片側1車線区間で渋滞が起きていた。2車線となる前芝IC付近から渋滞はなくなった。1車線区間では、これからも混雑することが見込まれる。
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