田原市は26日、図書館の貸出業務にAI(人工知能)を活用したシステムを導入、4月2日から赤羽根図書館でセルフ貸し出しのサービスを始めると発表した。AIシステムの導入は県内初で、全国でも4番目。蔵書点検の効率化で人員不足を補えるほか、対面が欠かせない業務への再配置でサービス向上も期待できる。今後は市内全館にも広げたい考えだ。
貸出窓口では所定位置に本を積み、そろえた背表紙を端末の内臓カメラで認識する。タッチパネルの操作で貸出点数と内容を確認すれば貸出伝票が印字される。正午から午後1時までの窓口休止中も利用できる。
京セラコミュニケーションシステムが開発した国内唯一の蔵書管理サポートサービス「シェルフ アイ」を導入した。新規登録もシステムを備えた端末のカメラで背表紙を撮影すれば、複数蔵書の登録が自動化できる。5月にはウェブ上で表紙などを確認できる仮想本棚サービスも開始予定。
赤羽根図書館では交替勤務の土、日曜と祝日を含め職員2人体制で運営している。市図書館の事業年報によると、2023年度の来館者は延べ1万4292人、利用者数5089人、貸出点数は2万2526点だった。
司書職員の堤恭子さんは「貸出作業の負担は大幅に減る。レファレンスや他館への問い合わせなど幅広いサービスに対応できる」と期待する。
蔵書貸出の自動化はAIのほか、豊橋市図書館のようにICタグを読み取る方式がある。新規蔵書を登録する場合、IC方式は1点ずつ専用タグを貼り付け認識するが、AI方式は複数の蔵書を画像認識すれば自動的に一度に登録作業を進められる利点がある。
是住久美子図書館長は「AIとICタグのいずれの方式も運営方法でメリットなどは変わる。AIは年に一度の蔵書点検を従来より短時間で効率的にでき、利用者の貸出サービスでも利便性は高まるのではないか」と期待した。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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