豊橋市の長坂尚登市長は28日の定例記者会見で、住民投票(20日)で事業継続が賛成多数となった「多目的屋内施設(新アリーナ)と公園東側エリア整備運営事業」について方針を示した。工事再開の手続きや事業者との調整を始めたが、具体的な再開時期などは明かさなかった。今後は協議を重ね、交通渋滞といった課題への対応などに全力を尽くす考えを強調した。
住民投票の結果を尊重する考えに従い、長坂市長は22日に市の関連部局へ速やかな事業再開の手続きを指示した。特定事業者「豊橋ネクストパーク」とは同日、契約解除協議の取り下げと工事の一時停止解除の意向を申し入れた。今後は具体的な協議に入る。25日に代表企業のスターツコーポレーションを訪ね、今後の協議と、さまざまな課題への対応が必要だとの考えを示した。
事業者との協議内容は秘密保持で明かせないとしたが、市の方針に肯定的だったという。工事再開や遅延損害金などの算定などを含め、今後の9月市議会などへの提案についてはまだ考えていないとした。
豊橋市を拠点とするプロバスケットボールBリーグ「三遠ネオフェニックス」は、2026年度に始まる最上位カテゴリー「Bプレミア」へ参入が決まっている。27年度以降は基準を満たすアリーナの整備状況で可否が決まる。今年10月を想定したリーグ裁定への配慮について、市長は「クラブやリーグとは、運営権を持つ事業者と協議することだ。市が運営権に介入すべきではない」との認識を示した。
アリーナ建設に伴い廃止される旧豊橋球場に替わり、豊橋総合スポーツ公園B地区へ新築される計画だった新球場については解体はアリーナ関連事業に含むが、新球場はただちに進める事柄には含んでいないと改めて強調した。
そのうえで「球場が一つなくなるため、市議会や市民の声を聞いて決める。どこへ整備するかは未定」とした。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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