豊橋市の教育、芸術、まちづくりの分野で多大な貢献をし、今年2月に亡くなった市勢功労者の伊奈彦定さんの功績を振り返る「伊奈彦定 その人展」が8~10月に市内5カ所で開かれる。「とよはし市電を愛する会」「豊橋交響楽団」と教員仲間らでつくる「伊奈彦定その人展部会」で構成する「伊奈彦定展実行委員会」が主催。2日は市こども未来館ここにこで「とよはし市電を愛する会活動記録展」があり、多くの人でにぎわった。
1935年、東京生まれで、42年に豊橋市へ。小中学校で子どもたちの教育に力を注ぎ、退職後は「路面電車のある風景」の絵画制作に打ち込んだ。愛する会に深く関わり、豊橋のシンボルとして市電を生かしたまちづくりに尽力、自身が原画を手掛けたカレンダーは多くのファンに愛されてきた。
展示は、伊奈さんのこれまでの取り組みや作品を通し、人柄や豊橋愛を感じてもらう内容。豊橋鉄道が協力した。
「活動記録展」では、パネルやカレンダー「豊橋市電のある風景」全36版、機関紙「市電文化」、記録映像の上映、ラッピング車両「ブラックサンダー号」の原画など展示。缶バッジ作りや塗り絵、制服を着てのほっトラム撮影パネルといった子ども向け体験コーナーも用意した。
また、館内別室ではタウンミーティング「子育てしやすい街 豊橋と公共交通を考える」も開かれた。
開場式には関係者約100人が出席。愛する会の髙須博久会長が「先生は市電を環境に優しい乗り物として『見る市電』『乗る市電』『考える市電』をテーマに活動された。展示を見てその愛情や情熱を感じていただきたい」などとあいさつ、長坂尚登市長のあいさつの後、ここにこの山西正泰館長、伊奈さんの妻礼子さんが加わりテープカットで開場した。
礼子さんは「多くの方が夫をしのんでくださり深く感謝しています。本当に良い展示で自分が見たことがないものも多かった。主人も彼岸から『ありがとう』と言って見ていると思います」と話した。
「その人展」では、市内線「ほっトラム」車内で「公共交通の世界」と題して10月19日まで資料を掲示するほか、9月下旬から「3203号」内で「イベント電車の世界」、10月7日から市美術博物館で「まちづくりとアートの世界」、同15日から同館で「ありがとうの手紙を添えて」がある。
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愛知県豊橋市生まれ。大学卒業後、校閲記者として入社。1年後に報道記者に転身した。2020年から報道部長。芸術、福祉、経済・奉仕団体などを担当する。趣味は、かなりジャンルに偏りのある読書と音楽鑑賞。思考のそっくりな一人娘と趣味を共有している。
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