生活パターンがいつもと変わらないので、日の出は遅く日の入りが早くなり、昼時間の短さで暦の変化を実感しています。本当はさわやかな涼しい風で秋を感じたいですね。これからは酷暑で逡巡(しゅんじゅん)していた旅行を楽しむ方が増えると思います。外国だけでなく国内そして身近なところにもまだまだ面白い所があります。
先日講演会の帰路、おととしに行った寸座駅に立ち寄りました。ここは新所原から掛川区間の天竜浜名湖鉄道にある無人駅です。豊橋からは東海道本線で二川をこえて新所原駅で下車して乗り換えます。本数も少ないので時間はかかりますが、駅のホームから浜名湖が一望できるロケーションが素晴らしく、夜は「千と千尋の神隠し」の湯婆婆に会いに行く場面のような感じがします。
1200年以上も昔、坂上田村麻呂が東征の折にこの峠で小休止をして一寸(ちょっと)座ったというゆえんから、この名が付けられたとも言われていますので、歴史好きにはロマンを搔き立てられます。
もう一つこの駅が有名なのは、「無人駅で君を待っている」という小説の舞台になったからです。浜名湖を見下ろす高台の乗降客数も少ないところですが、駅の端にある「たまるベンチ」に座って二度と会えない故人との再会を強く願うと、夕焼け列車に乗ってその人が降りてくるという言い伝えがあります。ただし会えるのは一度きりで、日の入りまでという条件です。
前回は感銘を受けたのと好奇心で訪れましたが、今回は海を見ながら長く時間のかかっている分厚い本を読了したくて下車しました。物語にあるような故人だけでなく会いたい人は多くいますが、まだまだ残暑が厳しく日陰で涼むという時季ではなかったので、夕焼けまで我慢できなかったです。でもネットではなく現地で五感にふれることはおすすめです。これから全国各地にお出かけされる皆さん、水分補給と熊対策を忘れずに。
この寄稿も60回目、年齢でいえば還暦です。還暦は元の暦に還るという意味です。また初心にかえって毎週頑張ります。
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