豊橋市立羽田中学校2年の羽田野晴加さんが、陸上女子800㍍で力をつけている。8月中旬に沖縄県で開かれた「第52回全日本中学校陸上競技選手権大会(全中)」に初出場。決勝進出を逃したが、翌日のタイムレースでは自己記録に迫る2分11秒60をマーク。全国6位相当のタイムで、来年への飛躍を予感させる内容となった。
全中初日、女子800㍍予選4組に登場。スタートから積極的に先頭に立ち、レースを引っ張る展開を見せた。残り300㍍では先頭を走っていたが、上位選手に抜かれ、決勝進出を逃した。
これまで順調に成長を続けてきた羽田野さんにとって、これほど悔しい思いをしたのは初めてのこと。予選後には悔し涙を流した。顧問の丸山晃碩教諭(30)は「レース後はいつも淡々とした様子だが、今回は納得いかなず、悔しい表情が印象的だった」と回想する。
レースプランを「いつも前半は快速ランナーに食らいつき、後半に逆転する展開だったが、今大会はタイムで上位8位に入る必要があった。そのため、序盤から行くしかないというレースとなり、うまくいかなかった」と分析した。羽田野さんも「1周目をとばして入ったら、2周目は落ちてしまった。レベルが高かった」と振り返る。
羽田野さんが陸上と出合ったのが小学4年。「学内のマラソン大会で2位だったのが悔しかった」という思いからだった。今も続けているアスリートクラブ「糸陸」に入り、平日は松葉小学校、日曜は豊橋市陸上競技場で練習に励んだ。当初は短距離選手だったが、中学校に入って「いろいろな種目をやってみよう」と800㍍に挑戦。「意外と良かった」ことから、本格的に取り組むようになった。当時から教えている髙山琴海さん(32)は「気持ち的に弱いところもあるが、レースで勝ち切る強さがある。短距離が速かったのでばねのある大きな走りができる」と素質を高く評価する。
今後の強化ポイントとして、髙山さんは「スピードの維持」を挙げた。「駅伝練習などで1500㍍走を取り入れながら、スピードを生かして長い距離を走れるように」と語った。
10月には三重県伊勢市で開かれる日本ジュニアオリンピック陸上競技大会の16歳以下のカテゴリーに出場予定だ。丸山教諭は「決勝には残れるように。強い選手に囲まれているほど強さを発揮できる子だから」と期待する。羽田野さんの目標は豊橋市出身でマラソン女子の鈴木亜由子さんが2006年に出した県最高記録の2分8秒68。自己記録とは約2秒の差がある。「憧れの存在だからこそ抜かしたい」と力を込める。
丸山教諭は「(来年の全中では)リベンジだね」と声をかけた。悔しさを糧に「来年は決勝進出したい」と雪辱を誓った。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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