新城署は9日、ツキノワグマの生態を学ぶ勉強会を開いた。東栄町地域おこし協力隊として活動する小川晴那さんを講師に招いた。
熊は東日本では人間の生活圏に入り込み、人間を襲って人身被害や農作物の食害などが出ている。同署管内では10月29日にツキノワグマの成獣が鹿用のくくりわなにかかり、興奮したために殺処分される事案があった。その後も11月9日に別の場所で目撃情報があった。熊の対応策を考えようと初めて勉強会を企画した。
小川さんは大学時代にツキノワグマの生態に関する調査と研究に取り組んだ。岐阜県で個体にGPSを付けて行動調査した結果、朝夕に動きが活発になることを報告。季節では夏と秋に出没が多いことを説明した。
また人を襲う理由を、熊が驚いた▽子熊に危害が加えられそうになると思う▽人が食べ物をくれる▽人が食べ物だと思っている―とし、「人側の努力が必要。熊を引き寄せないことを考えてほしい」と説いた。
会には山間部でつながる設楽や足助、豊橋、豊川の各署員や、新城市の消防救助隊員ら計66人が参加した。金子功治署長は「勉強になった。今後は住民の救助要請などにも連携が必要になるので、関係機関で訓練も企画したい」と述べた。
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浜松市出身。大学卒業後、母親の実家があった豊橋市に住む。スポーツを皮切りに、蒲郡市政担当15年を経て現在新城市と北設楽郡を担当する。映画ロケの炊き出しからご当地グルメとなった「ガマゴリうどん」など、まちぐるみで取り組む姿を取材するのが好き。
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