スズキ(本社・浜松市)などは16日、湖西市内で遠隔操作型の自動配送ロボットを公道で走らせるトライアル(試行)を始めた。19日までの4日間、走行の安全性と技術を検証し、公道を使った将来的な物流輸送活動を見据えて課題を洗い出す。
ロボットは「LM-A」といい、自動走行ロボットの開発やサービス運用を展開するスタートアップ「LOMBY」(ロンビー、本社・東京)が手掛けた。足回りにはスズキの電動車いすの技術を応用した台車を採用している。東京・八王子では大手コンビニエンスストアの一部店舗から商品を配送する試験をしているほか、スズキ湖西工場の施設内でも7月から「LM-A」を走らせるなど活用の可能性を探っている。
スズキの湖西工場と所有する施設を結ぶ約5・4㌔の歩道を1日1往復する予定。最高時速は約6㌔で、障害物を検知すると自動停止するほか、信号機や横断歩道も認識して対応するという。LOMBYの内山智晴代表取締役は「東京では比較的近距離の輸送をやっているが、長距離配送でもより早く安全に届けるための技術や運用の両面で検証を進めたい」との考えを示した。
開始に先立ち15日、湖西市役所で出発式を開いた。スズキ湖西工場の三浦隆工場長は「公道での実証を通じて将来的に社会に貢献できるよう、モビリティー社会の実現に挑戦できるようにしたい」などと話した。田内浩之市長も「湖西の地をはじめとする遠州地方は『やらまいか』精神が根付いている。このトライアルも『やらまいか』精神の象徴だと思う」と期待を寄せた。
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