「第102回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)」が来年1月2~3日に行われる。予選会を首位通過した中央学院大学は、豊橋市出身で主将の近田陽路選手(4年)を1区に起用する。優勝候補の中央大学には田原市出身の吉居駿恭選手(同)、山梨学院大学には昨年8区3位の阿部紘也選手(2年)がエントリーしている。
近田選手は小学校低学年の時の長距離走優勝をきっかけに陸上を始めた。中学時代は地元の陸上クラブ「TTランナーズ」で練習を積んだ。豊川高校では4~5番手だったが、大学で才能が開花した。転機となったのは1学年上の吉田礼志さん(Honda)との出会いだ。「礼志さんがいるとチームの雰囲気がピリッとする。背中で手本を見せ、有言実行する姿には説得力があった。自分の陸上に対する意識が変わった」と語る。箱根駅伝は、2年生の時(9区)が脱水症状となり区間23位、3年生の時(10区)が同11位で総合14位。目標のシード権獲得を果たせなかった。
吉田さんが卒業し、主将に就任した近田選手は「箱根での借りは箱根でしか返せない」と基礎練習を重視した。ジョギングを70分から90分に延ばし、距離も16㌔から20㌔に増やした。「礼次さんがほかの選手より長くジョグや体幹トレーニングをして記録を伸ばすのを見て、まねようと思った」と説明する。
成果は徐々に表れた。大学時代最後の吉田さんとのレースとなった香川丸亀国際ハーフマラソンでは自己新の1時間0分45秒で16位。吉田さんから「来年楽しみにしているから全力で頑張れ」と声を掛けられた。3月の立川シティハーフマラソンで優勝し「ジョグの効果でレース後半のきつさがなくなり、ラスト1㌔で勝負を仕掛けられるようになった」と手応えを語る。さらに苦手の上りの克服へ向け、ピッチ走法からストライド走法に変更し、映像確認を重ねフォームを固めた。
主将就任後は「自分のことだけでなく、チームを一番に考えるようになった。仲間のルーズな行動を指摘できるようになり、良い雰囲気ができた」と語る。吉田さんの厳しさに自分の優しさを加え、監督やコーチ陣と部員の意思疎通を円滑にするよう意識している。
10月の箱根駅伝予選会ではチームとして18年ぶりの1位通過、個人も日本人トップとなった。夏合宿以降「どんなにきつくてもラスト5㌔のペースを上げる」という練習に重点的に取り組んだ成果だ。「4年間の集大成として全ての力をぶつけ、最後は笑って終われるよう全力で戦いたい。総合10位以内を目指す」と意気込みを語った。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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