8年ぶりに「冬の全国選手権(ウインターカップ)」出場を逃した桜丘高校バスケットボール部が、新シーズンへの一歩を踏み出した。昨季は5月の県高校総体決勝で中部大第一に延長戦の末、67対69と惜敗。12月のウインターカップ予選決勝でも再び74対93で屈した。「全国の8強を狙える」という手応えがありながら、あと一歩届かなかった1年。悔しさとともに新年を迎えた。
水越悠太監督は、昨季の戦いを「決勝まで行ったから『よくやった』ではない。勝ち切らせてやりたかった」と苦渋の表情で振り返る。実戦経験の少なかったチームが急成長する一方で、突きつけられたのは「不徹底さ」という課題だった。「時間管理など生活面の乱れが、肝心な場面での戦術やプレーのあいまいさにつながる」。名門のベースである自主性を重んじつつも、現在は細かな基本技術や体づくり、礼儀作法から見直し、チームを「ギュッと締める」よう意識している。
再建の柱となるのが、司令塔の竹内光一選手(2年)だ。167㌢と小柄だが、水越監督が中学時代にそのパスセンスを見出した「ダイヤの原石」だ。入学当初は「いるかいないか分からない」ほどの存在感で、主要大会無得点に終わるなど、重圧に押し潰されそうな時期もあった。「責任を果たせない申し訳なさで、本当に苦しかった」と竹内選手は話す。
そこからはい上がったのは、負けず嫌いな性格からの努力によってだった。午前7時に一人体育館で黙々と基礎練習に汗を流し、午後9時まで残ることもある「練習の虫」。オフの日も動画サイトでプロの技を研究する熱心さが実を結び、昨年10月の国民スポーツ大会県代表選出を経て、水越監督が「全国トップ5に入るガード」と太鼓判を押すまでに成長した。
新チームが掲げるのは、竹内選手の走力を生かした攻撃的バスケットだ。速攻を第一に、アーリーオフェンスへと連動するスピード感を重視する。脇を固めるのは、昨冬の決勝を経験した竹本虹輝、長身のジェイ・ムハメド、ブリス・アレキサンダーの3選手(いずれも2年)。水越監督は「昨年と同じではなく、もう一段階高いレベルを求めたい」と期待する。
「いい選手なのは分かっている。次はチームを勝たせられる男になれ」。水越監督は竹内選手にプレーだけでなく周囲を巻き込む真のリーダーシップの発揮という課題を課した。新人戦東海大会(2月14~15日、一宮市)での優勝を第一の目標に掲げる。宿敵の中部大第一を破り、全国の舞台への返り咲きを誓う。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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