各候補者が舌戦を繰り広げる衆院選も、8日の投票日まであとわずか。期日前投票が進む中、東三河では蒲郡市に続き豊橋市が「投票支援カード」の導入を決めた。障害者や高齢者、けがや病気で介助が欠かせない人など、誰もが投票しやすい環境を整えつつある。周辺自治体にも広がりそうだ。
「投票支援カード」は、口頭での意思表示が困難な人や、困りごとを伝えるのが苦手な人らが、必要とする支援内容を事前に記入して提示することで、職員から適切なサポートを受けられる仕組み。県内では名古屋市や岡崎市などが採用している。
蒲郡市は市議会の一般質問をきっかけに、2023年10月の市長選から導入した。カードは各投票所に備えられ、車いすの利用、投票用紙の代筆、投票所内の誘導、候補者名の読み上げなど、支援が必要な項目にチェックを入れて提示すればサポートを受けられる。
市は介護施設やホームページを通じて周知を続けており、各選挙で毎回10人ほどが利用する。今回の衆院選でも期日前投票の段階ですでに数人が活用するなど、定着しつつある。
また、視覚障害者には点字、聴覚障害者にはイラスト入りの「コミュニケーションボード」を指差すことで意思疎通を図る環境も整えている。市選挙管理委員会の担当者は「より多くの人がスムーズに投票できるよう、引き続き取り組んでいく」と話した。
豊橋市は今年1月26日にカードの導入を発表した。昨年12月の市議会一般質問を受け、投票環境向上の一環として取り入れた。最初の選挙となる今回は急な展開となったが、総務省の様式や他自治体の事例を参考にしたことでスムーズに作成できたという。カードは各投票所や市役所東館1階の「じょうほうひろば」にある。
豊橋市の支援項目は五つ。蒲郡市と同様の移動補助や代筆などのほか、「大きな声で話してほしい」といった要望を書ける自由記載欄を設けた。特徴的なのは、次回の選挙以降も、今回記載した用紙やそれをスマートフォンで撮影した画面を提示するだけでサポートを受けられる点だ。有権者が選挙のたびに書き込む負担を減らす。
市選管によると、導入後すでに数人が活用している。担当者は「一人ひとりの状況に合わせ、少しでもスムーズに投票できるようカードを利用してほしい」と呼び掛けている。
そのほか、豊川市でも「コミュニケーションボード」で投票支援に取り組んでいる。各投票所にマニュアルを配布し、代理投票などの手伝いが必要な来場者に対し、係員が柔軟に対応できる体制を整えている。市選管の担当者は「近隣自治体の状況を踏まえて、今後検討したい」と話した。
新城市も豊川市と同様にボードを使う。入場口の係員が車いす利用者を見つけた際や相談を受けた際、職員が対応する。担当者は「選挙後に近隣自治体との意見交換会があるので、課題を共有し、必要があれば検討していきたい」とした。
田原市はカードやコミュニケーションボードはないが、車いすを準備して必要な時に使用できるようにしている。市選管の担当者は「今後の対応を検討したい」と述べた。
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愛知県蒲郡市生まれ。2020年、地元蒲郡が好きで東愛知新聞社に入社。同年から蒲郡担当、市政や地域行事、文化など全般を取材。ドローンを使って東三河の名所を空撮したルポ「大二朗記者の空からの訪問」を不定期連載。これまで、三河大島や三河国分尼寺跡、日出の石門などを空撮してきた。ドローン技術向上のため、国家資格「一等無人航空機操縦士」を24年に取得。読者の皆さんが楽しんでもらえる記事と記憶に残る写真を掲載できるよう、日々、頑張っていきます。
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