県は、犬猫の譲渡促進に向けた新たな拠点整備と既存施設の機能強化を柱とする「譲渡推進施設基本構想」を公表した。東三河地域の拠点である県動物愛護センター東三河支所(豊橋市神野新田町)は、2036年度の供用開始を目指して現地で建て替える方針だ。
今回の構想は、国の動物愛護施策が「保護・管理」から「譲渡推進」へと重点を移したことを背景に策定された。
県はまず、尾張旭市の森林公園隣接地に譲渡と愛護啓発の専門拠点となる「譲渡推進センター(仮称)」を新設し、32年度の供用開始を目指す。この新センターが県内全域の譲渡業務の中核を担う一方、東三河支所を含む既存の支所は、野犬の捕獲や飼い主への適正飼養指導といった「管理」業務を継続しつつ、機能の底上げを図る計画だ。
東三河地域では、中核市である豊橋市が25年に市独自の「豊橋市動物愛護センター」を開設している。これに対し、県の東三河支所は豊川市、蒲郡市、新城市、田原市、北設楽郡3町村という広大な圏域を管轄しており、新装される施設はこれら周辺自治体における動物愛護行政の要となる。
1993年に建てられた東三河支所は築32年が経過して老朽化が深刻な課題となっていた。現地建て替えに向けた工程では、26年度に基本計画の策定や民間事業者へのサウンディング調査を実施し、34年度から建築工事に着手、36年度の供用開始を見込んでいる。県は新年度当初予算案に基本計画策定費として5054万円を盛り込む。
新たな東三河支所には、保護した犬猫の健康管理や、譲渡前の「人慣れ訓練」を行うためのスペース、さらに多頭飼育崩壊などの緊急時に対応できる予備収容能力が備えられる。県獣医師会や登録ボランティア団体などの専門的な知見を計画段階から取り入れ、民間との協働を強化する方針だ。
大村秀章知事は「譲渡推進センターと動物愛護センターが一体となって動物愛護行政をより一層推進していけるよう、整備を進めていきます」と話した。
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1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。
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