県は21日、運転中にスマートフォン向けゲームアプリ「ポケモンGO」を行う「ながらスマホ」は死亡事故などの重要な事故につながるとして、その対策の強化を国に書面で要請した。大村秀章知事が22日、自民党交通安全対策特別委員会の江崎鐵磨委員長を訪問、要請活動を行う。
同知事が同日の定例記者会見で発表した。
「ポケモンGO」の「ながらスマホ」が原因と見られる交通事故は、7月22日の配信開始以来、各地で相次ぎ、これまでに全国で交通死亡事故が3件発生している。
うち2件は愛知県内で8月には春日井市で成人女性が、10月26日には一宮市で小学校4年生の男児が犠牲になった。
運転しながらスマートフォンを操作する「ながらスマホ」は最も危険な運転で、道路交通法などで厳しく規制されているが、運転中でもゲームをしたいという悪質運転者が後を絶たないのが実情。
県では今月8日、運営会社のナイアンティック米国本社と日本支社に対し、道路上では同アプリが起動しないなどのシステム上の対策をとるよう要請した。
また、17日には一宮市で亡くなった小学4年生の両親が同知事と訪問、「ながらスマホ」の撲滅を訴えた。
そこでこうした悲惨な事故を2度と繰り返さないためにも、厳しい法規制が必要との考えから、国に対し、さらに厳しい対応を取ることを要請することにした。
要請は①運転中の「ながらスマホ」の危険性についてマスメディアなどを活用した効果的な広報の実施②「ながらスマホ」を防止するため、全国的な取り締まりの強化、交通安全教育の拡充③道路交通法、自動車運転致傷処罰法を改正、「ながらスマホ」行為の罰則の強化―の3点。
大村知事は「ながらスマホ対策は喫緊の課題。全国知事会にも働きかけ、運営会社と国に対策の強化を強く訴えたい」と述べた。
(後藤康之)