将来の人口減少に備え、医療・商業施設などの都市機能を集約、使いやすく配置して「歩いて暮らせるまち」などをつくるため、豊橋市は立地適正化計画の策定を進めている。計画案では、「都市機能誘導区域」として豊橋駅周辺のほか、渥美線南栄駅周辺、JR二川駅周辺など6地域を打ち出した。今年度末に計画をまとめる。
計画案は、このほど開かれた市議会建設消防委員会に示した。
市街地の拡大が進んだ同市は、豊橋駅周辺の中心市街地や公共交通沿線で、今後、人口が減り、このままではまちのにぎわい、活力が失われ、公共交通を維持できなくなる恐れがある。
市街地では高齢化も進行、増加する高齢者の生活を支えていくことも喫緊の課題となっている。
このため、市は立地適正化計画の策定に着手。都市機能を集約して「歩いて暮らせるまち」「暮らしやすいまち」などにしていく。おおむね20年からその先の都市構造を展望し、計画作りを進めている。
計画案によると、都市機能誘導区域には、都市拠点として豊橋駅周辺、地域拠点として南栄駅周辺、二川駅周辺、市内線井原停留場周辺、藤沢町周辺、市街化調整区域の生活圏の中心となる地域拠点に渥美線大清水駅周辺、和田辻周辺を設定した。
豊橋駅周辺は、駅の利用圏半径1㌔程度を基本とし、東三河の中心にふさわしい「都市拠点」としてのまちづくりを目指す。商業、業務、金融、文化などあらゆる誘導施設について維持、誘導を図る。
地域拠点には、病院や規模の大きい小売店、金融施設など日常生活に必要な都市機能を維持、誘導し、交通結節機能の強化も図る。
さらに、これらの周辺に「居住誘導区域」も設定、都市機能集約の効果を生かしながら人口密度を維持し、持続性を確保していく。
居住誘導区域は来年度に検討し、市は同区域を含めた全体計画を2018(平成30)年度までに策定する予定だ。
(中村晋也)