今年の新城市は長年待ちわびた新東名高速道路開通して新城IC(インターチェンジ)も設置されて交通の流れが変わった。県教育委員会が2019年までに県立新城、新城東高校の統合計画を示した。奥三河地域を含めた道路と進路に関わる出来事が印象に残った。
待望の新東名高速道路は2月13日に浜松市の浜松いなさJCT(ジャンクション)~豊田市の豊田東JCT間の約55㌔が開通。当初は1年前に完成を予定していたが、新城IC周辺の地盤沈下や未開通区間の地滑りなどで時期が遅れた。
市内には長篠設楽原PA(パーキングエリア)も設置された。富永地内に下り線、矢尾地内に上り線が整備。PAは合戦の地を発信しようと上り線は武田軍、下り線は織田・徳川連合軍をイメージ。外観も武田軍の赤、織田、徳川家の紋をあしらった。
同市は7月1日から市内と名古屋市を結ぶ高速乗合バスの運行を開始。中心街の町並地区と名古屋市名東区の藤が丘駅、長久手市を結ぶ「山の湊号」を平日は1日3往復走らせている。藤が丘は大学が集積する場所になっており、通学圏としての利用をアピールしている。
開通により、東京方面や名古屋方面など東西のアクセスが向上した。奥三河地域への日帰り圏域が約2・1倍に拡大したことで、県外からの観光客も増加。長篠合戦のぼりまつりは約1・2倍、設楽原歴史資料館は約2倍と、11月の自動車レース「新城ラリー2016」の来場者は過去最高約5万3000人となるなど、イベントへの来訪者も増えた。
新城、新城東の両高校については県教委が2月8日、19年までに両校を統合する「県立高等学校教育推進実施計画」を発表。10月13日には統合校の基本構想と方針が公表された。19年度に全日制課程・総合学科として文理系3系列、専門系3系列を設け、校名は旧新城藩の藩校名「有教館」をとって「県立新城有教館高校」になる。
そのほか11月には若者議会が第11回マニフェスト大賞優秀シチズンシップ推進賞部門最優秀賞を受賞したほか、同28日には来年の大河ドラマ「おんな城主 直虎」の放映をにらんで広域観光を進めていくため、新城市と奥浜名湖の両観光協会と連携していく「タイガープロジェクト」が発足した。
(安藤聡)