愛知県東部の東三河、静岡県西部の遠州、長野県南部の南信州の3地域で連携策を考える第24回三遠南信サミットin南信州(三遠南信地域連携ビジョン推進会議主催)が15日、長野県飯田市で開かれた。各地域の課題と、3地域でできる活性化策など意見交換した。真の地方創生を目指し、2018(平成30)年度内に「三遠南信」での広域連合設置に向けて検討していくことを宣言をした。
サミットは1993(平成5)年度から毎年、会場を3地域持ち回りで開いており、今回で8巡目を迎えた。同地域35市町村の首長と議長、49商工会議所・商工会の会頭・会長はじめ、国、県の関係者、一般参加者ら約600人が参加した。
今回は「“みち”がはぐくむ三遠南信の未来」をテーマに行った。全体会では3地域の行政、経済界、高等教育機関の代表者10人が意見交換した。
このうち東三河から参加の愛知大学の川井伸一学長は「地域の課題解決を担う人材の育成が必要。中部地方だけでなく国際的視野も養っていく必要がある」と語った。豊橋技術科学大学の大貝彰副学長は「産学官で行うにしても大学と企業をつなぐ人材がいない」と課題を述べた。
豊橋商議所の神野吾郎会頭は「三遠南信圏域で展開するにあたり、ドイツで行われているまちづくり会社のような組織を立ち上げるのも手では」と提案。観光面では「愛知、静岡、長野を結ぶ飯田線に着目し、沿線風景を楽しんでもらう施策をしていきたい」と語った。
豊橋市の佐原光一市長は「農業が盛んなのは東三河だけでなく浜松市も南信地域も同じ。野菜や生花だけでなく果物も産出している地域といてもっとアピールしていければ」と述べた。
ほかに「道」「技」「風土」「山・住」の分野で分科会を行った。10年後の2027年度に開業するリニア中央新幹線に向けて南北の自動車道路など交通網を整備に努めたり、3地域一体となって産業振興に取り組んでいくことを申し合わせた。
宣言では広域連携を強化していく上で、防災対策や観光振興、移住定住を考えていくことで広域連合の設置を考えていくことにした。
次回サミットは浜松市で行われる。
(安藤聡)