小田さんが寄贈した化石「触れて楽しんで」

2017/04/07 00:01(公開)
小田さんが寄贈した水晶で「おしゃべり☆かがくかん」のデモンストレーションを行う科学館スタッフ
 蒲郡市生命の海科学館は、市民から寄贈を受けた化石を有効活用した新企画「おしゃべり☆かがくかん」を23日から始める。寄贈したのは“化石おじさん”と慕われた故・小田勲さん。化石収集家だった勲さんは生前から「子どもたちに触れて楽しんでもらえば」と話していたことからその遺志を受け継ぎ、同館は寄贈された水晶などを使って鉱物や化石の知識を深めるイベントを行っていく。
 小田さんは2013(平成25)年11月に心不全で亡くなった。87歳だった。50年以上前に三谷の魚市場で水揚げの手伝いをしていた際、漁師からもらった貝殻に感動して貝の名前を調べたりして収集を始めたという。自腹で鉱物や化石の購入を続け、100種類以上になった。
 遺族で長女の富子さん(67)によると、小田さんは子どもたちに化石や鉱物のすばらしさを知ってもらおうと自宅前を通りがかった児童を呼び止めて収集品と触れあってもらったほか、地元三谷小学校児童向けだけでなくバイクで山間部の豊根村まで駆けつけて展示会を行ったという。
 勲さんは元気な頃から同館にも通い、寄贈は生前の10年以上前から行われた。亡くなった後も富子さんを通じてコレクションの一部が贈られた。その数は80点近くになった。
 同館は鉱物や化石の種類だけでなく活用して良さを広めていくスタッフがそろったことから新しい企画を行うこととした。ガーネットや水晶など鉱物を見せて来館者が気軽に触れてもらう。山中敦子館長は「科学に親しむきっかけづくりにしていきたい」と話す。
 一方、富子さんは「父もきっと喜ぶと思います」と話している。
 イベントは23日から始め第2、第4の日曜日に行っていく。参加無料だが、同館3階の場合には観覧料が必要。
(安藤聡)
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