豊橋市は、中心市街地の萱町通りと水上ビル北側を対象にしたストリートデザイン事業基本計画をまとめた。「歩いて楽しい通り」にしていくための計画で、中心街の回遊性向上などを目指す。計画されている「まちなか図書館(仮称)」などと一体的に整備を進める。
中心街は、穂の国とよはし芸術劇場、こども未来館など集客力のある施設があるほか、駅前大通2丁目地区で再開発事業が計画され、ここに同図書館、まちなか広場(仮称)も整備される。こうした拠点をつなぐ回遊性の向上が課題となっている。
このため、通りの景観や歩行者、自転車の環境をより良くして「歩く楽しみ」を中心街の新たな魅力に加えるストリートデザイン事業により、にぎわいと回遊性を高める。
対象となった萱町通りは松葉公園、駅前大通り、水上ビルを結ぶ約600㍍。古くからファッションや音楽、文化娯楽が集まるが、近年は人通りも少ない。
計画では、通りに残る上品さと街路樹を生かし、多くの人が上質な時間を過ごし、潤いなどを感じられるデザインを目指す。
自転車通行空間を車道に確保、安全で快適に歩けるようにする。ベンチを配置、憩いの場などにして滞留できるようにもする。自転車利用者も、気軽に店舗へ立ち寄れるよう無料駐輪スペースを確保し、プランターなどとの一体型も考える。広小路交差点はスクランブル化を検討する。
水上ビル北側は約500㍍の区間。空き店舗もあるが、個性的な店舗が入居しており、独特の景観を生かし、懐かしさを損なわない滞留空間を目指す。水上ビル側の歩道を1~2㍍拡幅し、自動車交通の抑制と歩く環境の改善を図る。
豊橋駅に近い豊橋ビル区間では、懐かしさを感じられるよう濃い茶色のレンガ舗装や電球色のような照明の配置を行う。同区間東側の大豊ビル区間は、計画されているまちなか広場、まちなか図書館とのつながりが感じられるデザインにする。
広場に近い部分は、広場と一体感のある空間をつくり、歩車道の舗装の統一、フラット化などを図る。
市は4月下旬、対象区間の商店主や市民らに計画を説明。今年度は実施設計を進め、2018(平成30)年度から着工、図書館などができる20年度の完了を予定する。
(中村晋也)
水上ビル北側「豊橋ビル」区間の夜間のイメージ図
水上ビル北側「大豊ビル区間」のイメージ図