豊橋市立岩西小学校の40代の男性教諭が担任する2年生の児童5人に体罰をしていた問題で、さらに多くの児童が体罰を受けた疑いがあることが11日、分かった。体罰された児童の母親は「少なくとも9人は体罰を受けたと聞いている」と証言している。
市教育委員会は9日の会見で、学校職員や学級の児童28人からの聞き取り調査を基に、男児4人と現在不登校となっている女児1人が黒板に頭をたたきつけられたり、定規で頭をたたかれたり、頬をつねられるなどしていたと発表していた。
父母らによると、男性教諭は、児童の机を蹴り付けたり、他の学級の児童や職員が見えない死角にある別室に児童を連れて行き、罵声を浴びせていたが、児童の母親は「子どもの話を基に学校に報告したが、全てを明らかにしていない。(男性教諭の)保身に走っている」と指摘。「暴言を言われた児童はクラスのほぼ全員と聞いている」とも話している。
一方、他の児童に対する体罰などの有無について、学校側も9日に全校児童へアンケート調査を実施、結果をなるべく早い段階でまとめるという。
男性教諭は2年前にも、同校で5年生の男子児童を転倒させ、手首に若木骨折を負わせている。
学校側は、市教委へ「事故」として報告しており、鈴木宏道校長は「その時の私の判断と理解してほしい。今回の起こったことは誠に申し訳ない」と陳謝している。
岩西小は10日夜、全校児童の保護者を対象とした説明会を開いた。集まった約300人を前に体罰をめぐる経緯を説明したが、保護者からは学校側の対応を疑問視する厳しい意見が上がった。
午後7時から非公開で体育館で開催。終了後、記者会見した鈴木校長は「男性教諭は深く反省しており『自分には2度と教壇に立って、子どもたちと向き合う資格はない』と話している。今後、指導には当たらせなないと伝えた」と説明した。
他にも、保護者からは「組織として子どもたちを守れたのではないか」「対応が遅い」などの厳しい意見のほか、「子どもたちの心のケアの充実」を要望する声などが上がったという。
説明会に出席した女性は「ごく当たり前の謝罪のようで、本当に『すいません』という感じではなかった」と話し、男子児童の父親(39)も「具体的な話はなかった。厳しい処分を」と求めた。
(取材班)