インドネシア・ソロク市「奇跡の水道水」

2018/03/02 00:01(公開)
飲める水道水の生産ができ、感謝状贈呈の様子=ソロク市で(豊橋市提供)
 豊橋市が浄水技術の改善を指導していたインドネシアのソロク市で、浄水場から飲める水道水の生産が可能となった。日本では当たり前だが、飲める水道水のなかった同国。ソロク市などから「インドネシアの奇跡」と称賛、感謝され、継続支援の要望を受けている。
 国際協力機構(JICA)草の根技術協力事業に採択され、豊橋市は2015(平成27)年8月から今年2月まで約3年間にわたり、人口6万人のソロク市で浄水技術改善事業を実施。濁った水を飲める水道水にする“ミッション”を達成した。
 上下水道局から延べ42人の職員を派遣し、延べ127日間にのぼる。設備などはそのままに現地職員らの「技術を上げた」。薬を使わず、豊川(とよがわ)の水から安全で安価なおいしい水をつくり出せる豊橋自慢の技術を生かし指導。豊橋技術科学大学も協力し、現地の職員に基礎学を教えた。
 その結果、できた水を日本で検査したところ、国が定める水質基準項目に全て適合。「飲める水道水」が誕生した。浄水課の朝河和則課長は「水道水を安く供給できるようになるので、生活改善にもつながるのでは」と期待を込めて話す。
 ソロク市からは感謝状が贈られ、ほかの西スマトラ州16の水道公社からは支援の要請を受けた。
 豊橋市は今後、浄水場から家庭へ供給する配水技術の改善を進める予定。支援要請を受けた公社には「ソロク市で学び、技術を広げてもらえれば」としている。
(中村晋也)
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