打ち上げは10月29日 蒲郡の超小型人工衛星が完成

2018/08/29 00:01(公開)
完成した「がまキューブ」を手にする西尾教授=愛知工科大学で
 私立愛知工科大学を中心に産学官で製作してきた10㌢立方の超小型衛星「AUTcube2」(愛称・がまキューブ)の完成発表会が28日、蒲郡市西迫町の同大学で開かれた。衛星は宇宙で発光させて人工の星とするほか、画像を地球に送る教材づくりに役立てていく。最終審査をクリアすれば10月29日にJAXA(宇宙航空研究開発機構)のH-ⅡAロケットに相乗りされて打ち上げられる。
 衛星は同大学工学部電子制御・ロボット工学科の西尾正則教授(63)グループの取り組み。1辺が10㌢の立方体となる超小型衛星にLED電球、魚眼カメラ、太陽電池などを搭載。LEDを発光させて「目で見る人工の星」とさせるほか、地球で映像受信して宇宙映像を見られるようするなどのプロジェクトを行う。
 16年から検討を始め、設計などを同大学、本体の製作は市内の金属加工7社(飯島産業、飯島精密工業、加藤カム技研、蒲郡製作所、三協、中川製作所、細井鉄工所)で取り組んできた。
 発表会で西尾教授は「ようやくロケットに載せてもらえるところにきて安堵している」と笑顔を見せ、「打ち上げ後が本番となるため、プロジェクトはまだまだ続きます」と説明した。
 企業側代表の伊藤智啓・蒲郡製作所社長は「町工場の技術を駆使してJAXAの規格よりも高い精度に出来上がった」と話した。
 稲葉正吉市長は「“チーム蒲郡”での取り組みで完成した人工衛星が宇宙で活躍するのが楽しみ」と期待を寄せた。
(安藤聡)
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