蒲郡の三谷水産高 ウナギ人工ふ化に成功

2018/12/04 00:01(公開)
研究に取り組む海洋資源科3年生=県立三谷水産高校で
 ウナギを人工的に増やすことができるよう、県立三谷水産高校(蒲郡市三谷町)は、授精から成魚まで育てる完全養殖化に向けた研究に取り組んでいる。先月27日には同校で初めて人工ふ化に成功した。稚魚となるシラスウナギの漁獲量が減少している中、エサの開発にも取り組んでいる。
 世界的にもシラスウナギの漁獲が減少しており、同校は2016(平成28)年に文科省から「スーパープロフェッショナルハイスクール」の認定を受けて研究を本格化。海洋資源科の3年生5人が取り組んでいる。
 同校では養殖業者からシラスウナギを仕入れて校内で飼育。性別は9割以上が雄だったため、県水産試験場で研究開発した女性ホルモンを混ぜたエサをシラスウナギに与えて雌化させ、さらに排卵を促すホルモンを投与して11月25日に人工授精させた。ふ化は卵を採取して同27日、顕微鏡で観察した際、3㍉ほどの幼生が確認された。
 東出滉大さんは「やっとここまでできた。難しいといわれる養殖法の確立に向けてさらに研究をしていきたい」と語った。
(安藤聡)
ふ化したニホンウナギの幼生
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