宮脇主宰が感謝の個展

2019/02/20 00:00(公開)
4月末をもって閉廊するギャラリー公園通り
4月末をもって閉廊するギャラリー公園通り
豊橋のギャラリー公園通り4月閉廊
 豊橋公園前に位置し、多くの美術家や愛好家から愛されてきた、豊橋市八町通3の「ギャラリー公園通り」。この4月末をもって、ファンから惜しまれつつも15年の歴史に終止符を打つこととなった。19日からは、同ギャラリー主宰者で染織作家の宮脇佐知子さん(63)による、同ギャラリーでは自身最後の個展となる「染め・紡ぎ・織もの展 39」が始まった。24日まで。
 宮脇さんは1956年生まれ。82年に京都の川島テキスタイルスクールで技術を習得し、地元で作家として各種展示会でも入選を重ねてきた。指導者として教室を開く傍ら、国内各地での個展・グループ展で作品発表を続けてきたが今回、制作を含む自分の時間を作るため閉廊を決断した。
 個展は3年前の金沢展以来。展示会名「39」は、織物生活39年と、ここまで続けられたことに対する周囲への「サンキュー(ありがとう)」の意味を込めて命名。今回は通常の個展とは異なり、織物で作った作品を並べるのではなく、織物そのものを見てもらおうと、一枚の布の状態で展示を施した。
 紡車を置いた会場では、新作7点を含む21点で自身の世界を創り出した。作品はどれも趣が異なるもので、糸の染め方、柄の出し方など、手紡ぎ・手織りの可能性に果敢に挑戦してきた多彩な作品を見ることができる。
 宮脇さんは羊毛を自分で洗い、染色して整え、糸を紡ぎ、機にかけて織るという気の遠くなるような工程を一人で手仕事で行っている。「毎日の暮らしが楽しくて、心豊かに送れたら」と自分はもちろん、使う人の気持ちを考え、素材との対話の中で妥協を許さない作品を作り上げている。展示作の中には、20年以上前に人の手に渡ったものもあるが、上質な作品かつ使い手の愛情がこもった作品で経年劣化を感じさせないのも見事だ。
 手仕事の大切さを語る宮脇さん。「楽しんで見てもらえたら」と話す。
(田中博子)
同ギャラリーでは最後の個展を開いた宮脇さん=豊橋市八町通3で
同ギャラリーでは最後の個展を開いた宮脇さん=豊橋市八町通3で
続きを読む

購読残数: / 本

この記事は登録会員限定です
この記事は有料購読者限定記事です。
別途お申し込みをお勧めします。
最新記事

日付で探す

藤城建設 蒲郡信用金庫 さわらび会 住まいLOVE不動産 光生会 虹の森
hadato 肌を知る。キレイが分かる。 豊橋法律事務所 ザ・スタイルディクショナリー 全国郷土紙連合 穂の国