「剣理人倫 我外皆師」②「良い一体感はすぐには出来ない」

2024/09/16 19:24(公開)

非常勤教師・豊橋市剣道連盟事務局長  荒木輝彦

 

 今夏もオリンピック・パラリンピックのシーズンがやってきました。自国開催の前回同様、ワールドワイドに活躍する日本選手の情報は瞬時にわかり、暑い夏をさらに熱くします。松岡修造氏が駆け付けるとその場の気温が上がると言われるぐらい熱男だから、彼がパリに行けば現地はヒートアップ間違いなしですね。

 スポーツの大会でお揃いのユニホームを着て応援したり、コンサートなどで演者と同じ衣装で一体となるのは同一化現象でもあり、盛り上がりを助長させます。しかしそれが反作用に働くと、イメージが悪くマイナスになります。

 学生がお揃いのジャージやバックを持って電車に乗り込んでくる。有名な高校名や大学名が大きくプリントされている。疲れた足を投げ出して姿勢悪く座ったり、大きな声で話す傍若無人な振る舞い。優先席でも席をゆずらない。この情景をみると、部活動で何を学んできているのかと思えて残念でならない。あんなに校名を大きく宣伝させて・・。学生たちはきっと試合や練習では輝いてみえるのだろう。全国大会に出場するレベルなのかもしれない。もったいないです。

 私は決して座るな・話すなというつもりはないです。ただ世の中には試合観戦だけではない目があることを知らないといけない。そして、人がちょっとした時に見せる仕草こそ、その人の‘素’の部分や‘本質’が隠れていることを覚えておかないといけない。大変だが競技内外ともに人間道の修行なんです。

 私も子どもたちの模範となるだけでなく、憧れる存在になりたいと思っています。それには外見を飾って見栄えを意識するのではなく、行動で示せるようにすることが大切です。聖書に『善き行いをもってその身の飾りとせよ』という言葉があります。これからも姿勢良く頑張ろうと思っていると、子どもたちの視線を強く感じます。何か採点されているみたいです。やっぱり真剣な人たちの前では隙は見せれないですね。

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